堺なかむら総合クリニックについてClinic
内科、消化器内科、外科、整形外科、肛門科、内視鏡内科、リハビリテーション科を標榜し、各領域において豊富な経験・知識を持つ医師が、患者さまお一人おひとりを丁寧に診療します。各診療科の垣根もなく、密な連携によってスムーズな検査・診断・治療を行うことができます。また、胃カメラ検査・大腸内視鏡検査、健康診断、予防接種、肥満外来、美容点滴などにも対応し、病気の予防と早期発見にも力を入れております。
アクセスAccess
- 〒599-8275
大阪府堺市中区東八田24-5 - 深井駅より徒歩10分
- バス停「八田壮団地」より徒歩約5分
- 堺IC泉大津美原線より約5分
- 駐車場20台完備
当院の感染症対策への取り組み
当院では新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスを含む感染症対策として、感染症症状(37.5度以上の発熱、咳、鼻汁、痰、下痢、嘔吐など)の有無により、空間的に動線を分けて診療しています。
感染症専用出入り口(西玄関)や感染症隔離室を設けることで、クリニック来院から、診察、会計まで、感染症症状のある患者様との接触の機会を減らしています。感染症症状のない患者様は、非感染症エリアにて安心して受診していただけます。
ご挨拶Greeting
堺なかむら総合クリニック
院長・理事長
医学博士 中村 哲彦
平成3年に深井駅の近くで開業して以来、内科や消化器疾患、怪我や骨折や捻挫といった整形外科疾患とリハビリテーション、いぼ痔や切れ痔などの肛門科疾患の治療、外科や肛門科の日帰り手術を行ってきました。また、胃がん検診、大腸がん検診、特定健診、健康診断などの各種健診も行い地域に根付いた治療に携わってきました。
また、外来だけでは地域のかかりつけ医として十分に機能しきれないとの思いがあり、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリなどにも力を入れています。さらに、消化管がんの早期発見・治療のために、令和2年に診療所内に新内視鏡室をオープンし内視鏡に力をいれてきました。令和4年より常勤医師3名体制になり診療スペースを拡充するために、このたび令和6年3月12日より医院名を中村診療所から「堺なかむら総合クリニック」と改め医院の建替え・移転をすることになりました。新クリニックではさらなる診療の質の向上に努めて参ります。私たちの日々の取り組みが地域の皆様の健康と生活を支える一助になるべく、これからも鋭意努力していく所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
堺なかむら総合クリニック
副院長 中村 孝彦
はじめまして、中村孝彦と申します。私は大阪府の市中病院で勤務し、消化器内科領域を中心に様々な疾患を経験してまいりました。内視鏡検査においては患者さまに「楽な検査でよかった」と言って頂けるように、痛みのない、楽な検査・治療を心がけております。がん治療から、腹痛や出血などの急性期治療まで幅広く診療してきた経験を活かして丁寧な診療を心がけております。平成30年より当院で内視鏡診療に携わり「下剤を飲まない大腸内視鏡(大腸カメラ)」も大阪でもいち早く取り入れました。令和4年より整形外科・リハビリテーション科研修を経て副院長に就任し、内科・消化器内科だけでなく肛門科や整形外科、リハビリテーション科、肥満外来など幅広い診療を行っております。どんな事でもお気軽にご相談ください。
内視鏡検査のご案内Endoscopy
-
下剤を使用しない検査約3時間で胃カメラ・
大腸カメラ検査が完了 -
麻酔を使用することで
楽な検査が可能 -
最新機器と
安心の技術力体への負担が少ない
超細経カメラを採用 -
お忙しい方のために
土曜日も検査が可能 -
プライバシーに配慮した
清潔で快適な空間
個室トイレも完備◎ -
女性医師が常勤
女性の方も安心
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
日本消化器内視鏡学会専門医による大腸内視鏡検査です。検査中だけでなく、検査前後のご負担軽減のため、細径内視鏡や鎮静剤、炭酸ガス送気の導入、下剤を飲まない大腸内視鏡(大腸カメラ)検査にも対応しております。大腸ポリープの日帰り手術も可能です。
胃カメラ
日本消化器内視鏡学会専門医による胃カメラ検査を行います。食道・胃・十二指腸の粘膜を観察し、炎症・潰瘍・がんなどの病変を早期に発見することが可能です。超細径カメラ、経鼻内視鏡、鎮静剤の導入により、検査の苦痛を最小限に留めます。
整形外科・リハビリテーション科
整形外科では首の痛みや手のしびれ、腰痛や足のしびれなどの慢性疾患や機能障害だけでなく、骨折や捻挫ややけど、切り傷といった急性疾患の診断と治療を行います。また、当院は労災保険指定医療機関のため、事故などによる怪我にも対応させて頂きます(業務中の怪我などで受診を希望される場合、受診前にお電話をいただきその旨をお申し出お願いいたします)。リハビリテーション科では、地域最大級の170平米のリハビリ施設を併設し、医師・理学療法士が連携したリハビリテーションを行います。患者さまお一人おひとりに合わせたリハビリプログラムを作成いたしますので、無理なく継続していただくことが可能です。
肛門科
切れ痔(裂肛)、いぼ痔(痔核)、肛門周囲膿瘍、痔ろうなどの診断と治療を行っております。痔などの肛門の症状・疾患は、とてもデリケートな問題ですので、ご希望の方には、診察から診断・治療・手術まで、女性医師が担当することも可能です。ご予約の際に、ご希望をお伝えください。
肥満外来
肥満症は単なる生活習慣病だけでなく、大腸がんや、変形性膝関節症などの整形疾患のリスクも増加させる要因となります。肥満外来では、医師の指導のもとで薬物療法を主体として、肥満症の改善に取り組みます。BMI 35以上の方はサノレックスや漢方等の保険適応薬の保険適用となります。糖尿病をお持ちの方は、GLP-1製剤のリベルサスや、SGLT-2阻害薬のフォシーガ、ビグアナイド薬のメトホルミンなどの減量効果のあるお薬を保険適用として使用頂けます。また当院ではこれらの保険適応薬の他、自費診療の抗肥満薬も取り扱っており、患者さまの状態に応じて最適な治療をご提案させて頂いております。
診療案内Medical
内科、消化器内科、外科、整形外科、肛門科、内視鏡内科、リハビリテーション科を開設し、便秘・肥満の専門外来、さらには健康診断・人間ドック・予防接種といった、病気の予防と早期発見のための医療にも対応しております。総合クリニックとして、どのような些細なお悩みでも、どうぞお気軽にご相談ください。
当院の特徴Features
精度は高く、安心の技術で行う患者さま目線の内視鏡検査
日本消化器内視鏡学会の専門医が、極細の内視鏡を使った胃カメラ検査・大腸内視鏡検査を行います。ウトウトとした状態で検査を受けられる鎮静剤、嘔吐反射の起こりにくい経鼻内視鏡、検査後の不快感を速やかに取り除く炭酸ガス送気、がん化のおそれのある大腸ポリープの日帰り切除、下剤を使用しない大腸内視鏡検査などの導入により、患者さまの苦痛と不安を最小限に留めます。
痔の日帰り手術も可能常勤女性医師による診察にも対応
当院には、常勤の女性医師が在籍しております。痔などの肛門疾患の診察や診断・手術を含めた治療、胃カメラ検査・大腸内視鏡検査などで女性医師の担当をご希望される場合には、ご予約の際にお気軽にお伝えください。日本消化器内視鏡学会専門医でもありますので、高精度の内視鏡検査を受けていただけます。
地域最大級170平米のリハビリ施設を設置幅広いリハビリに対応
十分なスペースの中で、多くの患者さまがおリハビリに取り組んでいただけるよう、地域最大級の170平米のリハビリ施設を併設しております。医師の指導のもと、理学療法士が患者さま一人ひとりに合ったリハビリプログラムを行って参りますので、無理なく、楽しく継続していただけます。また、最新のリハビリ機器を導入しており、基本~実践的な動作における機能の回復を目指します。
生活習慣病の改善や大腸がんなどの予防を目的に肥満の解消をサポート
肥満外来では、糖尿病など生活習慣病や重大なリスク因子となる「肥満」を解消することで、生活習慣病の改善と合併症の予防を図ります。サノレックスや漢方薬といった保険診療薬の他、ご希望の方には自費診療の抗肥満薬を組み合わせた薬物療法、生活習慣の改善により、患者さまの健康をお守りします。医学的根拠のある正しいダイエットをしたいという方はぜひご相談ください。肥満の解消は、大腸がんのリスク低減にもつながります。
駐車場20台分完備
敷地内に駐車場を20台分、ご用意しております。電車・バスでもアクセスしやすくなっていますが、敷地内に駐輪場も併設しており、車・バイクの他、自転車でもご来院いただけます。平日は夜7時30分まで、土曜日も9~12時までの診療を行っておりますので、お仕事・学校・家事などでお忙しいという方も無理なく通院していただけます。
当院の最新の取り組みがYoutube番組で取材されました
医科クリニックで日本で初めて「配膳ロボット」をクリニックに導入した当院の最新の取り組みをYoutubeで取材頂きました。
旧中村診療所から堺なかむら総合クリニックに移転する上で工夫したことなどを取り上げていただいております。
お知らせNews
- 2024.11.20
- 【重要】女性医師希望の患者様へ
- 2024.09.27
- ★9/24~インフルエンザワクチン・コロナワクチン接種のWEB予約を開始します!
- 2024.07.22
- 当院のカルテ配達ロボットがYoutube番組に取材されました
メディア掲載・ブログMedia/blog
2024.08.08
看護師さん募集【常勤月給32万、パート2,000円~】医療法人中村会・堺なかむら総合クリニックでは「正看護師」「准看護師」を募集しています! 当院は地域のかかりつけ医として消化器疾患や整形外科疾患の治療、慢性疾患のフォロー、外傷プライマリーケア、在宅医療などを行っています。 また当法人、中村会グループの施設には介護施設も有しており、包括的な医療・介護サービスを提供しています。 開業して31年。2003年にデイサービスセンター、2011年に有料老人ホーム、2015年にサ高住を開設、2020年に中村診療所・内視鏡内科をオープンし、現在、合計100名以上のスタッフが働く活気ある職場となっています。 2024年3月には隣接地に新クリニック「堺なかむら総合クリニック」のオープンとなります。 今回は増員のための募集となります。主な業務としては外来や訪問看護での診療・処置の介助、点滴、採血、バイタルチェックなどです。 求人応募は以下の番号までお気軽にお問い合わせください。採用担当より面接日程の調整などの連絡をさせていただきます。 【求人応募連絡先】 072-270-3986(採用担当くぜのさと 槻木(つげき)) 072-270-7777(クリニック代表) メールでのお問い合わせは以下よりお願いします。 お問い合わせはこちらから 私たちと一緒にやりがいをもって働きませんか? 「募集要項などの詳細は以下をご覧ください」 クリニック紹介「全身を診るクリニック」 未経験でもOK!丁寧な研修と働きやすい職場 看護師・医療事務ともにパート勤務OKです 実際に勤務した看護師からのメッセージ 募集要項・応募方法詳細 クリニック紹介「全身を診るクリニック」 堺なかむら総合クリニックは開院以来、「全身を診る」を理念とし、内科・外科・整形外科・胃腸肛門科など、プライマリーケア医として婦人科以外の全ての疾患を断らずに対応してきました。 そのため、診療の幅も幅広く、内科はインスリンを使った治療も行いますし、外科は小腫瘍の摘出術から創傷の縫合、整形外科は骨折や捻挫のギプス処置や関節注射などを行います。 胃腸科は大腸ポリープや大腸癌の内視鏡手術、肛門科は痔の日帰り手術まで行います。 このように当院はクリニックとしては処置が多く、診療の幅も広いのが特徴です。 基幹病院と連携しながらも、かかりつけ医として責任をもってプライマリケアに取り組んでいます。 診療の幅が広いことや、小手術や処置が多いことに魅力を感じて頂ける方は、是非ご応募ください! 未経験でもOK!丁寧な研修と働きやすい職場 あなたにお任せするのは看護師業務です。 医師のサポートに付くなどの業務全般をおまかせします。 内視鏡診療の補助業務などは未経験でも大歓迎です。 丁寧な研修で安心してスタートできます。 あなたの優しい笑顔で患者様に対応していただければOKです。 中村会グループではチームワークを育むため、定期的に研修を行っています。 自然と助け合う環境となり、人間関係もよく定着率もとても良いです。 スタッフが働きやすい環境づくりに力を入れているため、アットホームな雰囲気で、長く続けやすい職場です。 堺なかむら総合クリニックでは訪れる人が笑顔になれる、そんな雰囲気づくりを大切にしています。 スタッフにも患者さまにも穏やかな口調で語りかける院長の哲彦先生、副院長の孝彦先生、そして女性医師の玲佳先生。 受付のスタッフや看護師も、患者さまをあたたかい笑顔でお迎えしています。 私たちと一緒に笑顔いっぱいで、働きませんか? 看護師はパート勤務OKです 勤務は、週2〜3日でも問題ありません。 勤務の曜日も適宜相談できます。 学校行事・家庭行事もしっかり考慮し、子育て中の方から、子育てが一段落された方まで安心して働けます。 実際に現在働いているスタッフも子育て世代の方が大勢おられます。 福利厚生にも力をいれており、健康診断ありスタッフの健康管理も力を入れています。 職場へのマイカー通勤もOKです! 駐車場は18台完備しており、ガソリン代も支給させて頂きます。 実際に勤務した看護師からのメッセージ ・午前診は忙しいときもありますが、午後診は比較的ゆったりと過ごせます。 ・常勤ドクターが3人とも穏やかなので、雰囲気が良いと思います。医療事務のスタッフとも協力しながら業務をしています。 ・電子カルテやWEB予約、WEB問診、自動呼出システムなど、IT化がすすんだクリニックなので雑用が少なく、看護業務に集中できます。 ・仕事量の割には比較的給料が良いのが魅力です。 ・点滴注射や採血、あるいは処置の介助などをする機会は比較的多いので、手技が好きな人が向いているかもしれません。 ・病院勤務ばかりで、クリニックは初めての経験でした。病棟とは違う環境ですが、注射など毎回通ってくれている患者様と仲良く世間話できたりと、地域の患者様とのつながりを感じることができ、やりがいを感じられます。 募集要項・応募方法詳細 【募集職種】 • 正看護師、准看護師 • 無床クリニック 【業務内容】 ・医師の処置サポート ・内視鏡の診療補助、介助 ・診察前の問診、バイタル測定 ・採血、注射、点滴の対応 ・検査、治療の補助 ・事務手続き 等 【勤務形態】 ・常勤、非常勤 【勤務時間】 午前診:9時~12時 午後診:17時~19時30分 (土曜日は午前<9時~12時>のみ) 日祝日休診 上記時間のうち勤務時間は要相談 残業はほとんどありません 【給与】 (看護師正看・常勤)320,000円~ (看護師准看・常勤)310,000円~ (看護師正看・非常勤)時給2,000円~ (看護師准看・非常勤)時給1,900円~ 【休日・休暇】 シフト制 【配属先】 堺なかむら総合クリニック、訪問看護(応相談) 【環境】 各種感染症対策も万全に整えており、安全に働ける様特に気を使っております。 【社会保険】 雇用保険,厚生年金,健康保険,労災保険 【賞与】 常勤は賞与(夏・冬)有り 退職金制度有り 【アクセス】 泉北高速鉄道深井駅より徒歩10分 阪和自動車道堺ICより車で5分 【勤務先】 大阪府堺市中区東八田24-5 ♦♦♦堺なかむら総合クリニック・施設情報♦♦♦ 【施設形態】 無床クリニック 【診療科目】 内科、消化器内科、外科、肛門科、整形外科、リハビリテーション科 【法人名称】 医療法人中村会・堺なかむら総合クリニック 【設立】 平成3年 【法人概要】 訪問診療、訪問看護 有料老人ホーム サービス付き高齢者住宅 デイサービス ケアプランセンター 【選考プロセス】 [1] 以下ご連絡先までお気軽にお問い合わせください。 072-270-3986(採用担当くぜのさと 槻木(つげき)) 072-270-7777(クリニック代表) メールでのお問い合わせは以下よりお願いします。 お問い合わせはこちらから ↓ [2] 採用担当より面接日程の調整などの連絡をさせていただきます。 ↓ [3] 面接を実施します。 ↓ [4] 採用決定のご連絡をさせていただきます。 ・応募から内定までは約2週間~1ヶ月程度になります。 ・在職中で今すぐ転職が難しい方も調整のご相談が可能です。 ・見学も可能ですので、お気軽にご相談ください。 【お問い合わせ先】 072-270-3986(採用担当くぜのさと 槻木(つげき)) 072-270-7777(クリニック代表) メールでのお問い合わせは以下よりお願いします。 お問い合わせはこちらから2023.08.10
電車の中で腹痛がおきた時の対処法は?外出先では?普通にしていると全然大丈夫なのに、電車に乗るとお腹が痛くなる、外出すると腹痛がおきる、といった症状でお困りの方へ。 その正体は「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」かもしれません。 今回は、これらについて、どこよりも分かりやすく専門医が解説していきます。 それでは早速どうぞ! (本稿は日本消化器病学会・消化器病専門医の中村孝彦医師・中村玲佳医師が執筆しています。) 「気になる電車の中や外出先での腹痛について徹底的に解説します」 電車の中で腹痛が起きる原因は? 電車の中で腹痛が起きたときの対処法は? 外出する時に腹痛がおきる原因は? 外出中に腹痛がおきたときの対処法は? 電車の中で腹痛が起きる原因は? 普段は大丈夫なのに、電車に乗るときに限って腹痛が起きるときは、過敏性腸症候群(かびんせい・ちょうしょうこうぐん)の可能性が高いです。 過敏性腸症候群の方は、腸の運動機能や腸の感受性が異常な状態になっているため、電車に乗っているときの状況が症状を悪化させるのです。 電車に乗ることによって過敏性腸症候群の人が腹痛を引き起こすメカニズムとして考えられているものを具体的に考えていきましょう。 電車内でのストレス 電車内での混雑や騒音、限られたスペースでの過ごし方などが過敏性腸症候群の人にとってはストレスになります。 ストレスは過敏性腸症候群の症状を悪化させる要因とされており、腹痛や腸の不快感を増加させる可能性があります。 電車に乗っていることによる運動不足 電車に乗る際、どうしても座っている時間が長くなるため、腸の運動が鈍くなります。 腸の動きが鈍くなることによって、お腹にガスがたまりやすくなり、腹痛や膨満感を引き起こす要因となります。 電車の振動 過敏性腸症候群の方は腸の感受性が上がっていて、ちょっとした振動や刺激にも過敏に反応しやすい状態になっています。 電車の揺れや振動は、過敏性腸症候群の人にとっては腸を刺激する要因となり、痛みや不快感を引き起こすことがあります。 次に、電車に乗っているときに腹痛がおきたときの対処について考えていきましょう。 電車の中で腹痛が起きた時の対処法は? 過敏性腸症候群の方が電車などの公共の場で腹痛が起こった場合、まず深呼吸をしましょう。 腹痛が起きた場合、深呼吸を行ったり、リラックス法を試してみることで、症状が和らぐことがあります。 ゆっくりと深呼吸を続けることで、緊張がほぐれることがあります。 できるだけ腹部に圧力をかけない姿勢を保つことが大切なため、座位でよく腹痛がおきる方は、立位を試してみるのもいいでしょう。 次に腹痛が強い場合、すぐにトイレが利用可能な場所を探しましょう。 電車内にトイレがある場合は利用して、症状の緩和を図ります。 過敏性腸症候群の人の腹痛の特徴として、「排便をすると腹痛が軽快する」というものがあるので、まず排便をすることで症状を緩和させることが重要です。 また、「すぐにトイレにいけない状況」自体が過敏性腸症候群の方にとってストレスになります。 長時間、駅に停車しない特急電車に乗るのは避けたり、主に利用する駅のトイレの位置を把握し「いつでもすぐにトイレにいける状況」にしておくこともストレスの緩和になります。 逆に「腹痛が排便した後も軽快しない」状況であれば、過敏性腸症候群でない可能性があるので、医療機関を受診して医師に相談してください。 過敏性腸症候群の症状緩和に医師から処方された薬がある場合は、薬を携帯しておくことでも心理的ストレスを軽減し、過敏性腸症候群の発症を予防することができます。 過敏性腸症候群は こちら 外出する時に腹痛がおきる原因は? 外出先でよく腹痛が起こる人も、背景に過敏性腸症候群があって、食事やストレスがトリガーになっていることが多いです。 具体的にみていきましょう。 食事内容の違いや、食事時間の変化によるストレス 外出先での食事、特に脂っこい食品や刺激物の摂取や、食物アレルギーによって、腸の過敏性を刺激して腹痛を誘発することがあります。 また、外出時や旅行先では飲食する時間がいつもと異なる場合が多いです。 車の渋滞で昼食が14時になり、夕食のレストランの予約が17時、など普段の食事の時間に比べて変則的になったりする経験はあるかと思います。 食事の時間が変則的になることで胃腸の動きが乱れることがあり、それによって腹痛が引き起こされることがあります。 外出先での新しい環境や、会食などの社交的な場での不安や緊張も、胃腸の動きに影響を与えます。 外出先のトイレ事情によるストレス 外出先でトイレが利用できない場合、腹痛を感じても対処できない不安から腹痛が増悪することがあります。 あらかじめ外出先ではトイレの位置などを把握しておくだけでも、ストレスを軽減することができます。 外出先での運動不足 外出中は長時間の移動や立ちっぱなしの状態が続くことがあり、運動不足になりがちです。 運動不足は腸の動きに影響を与えるため、腹痛を引き起こす可能性があります。 他に、 外出先での気温や湿度の変化が、体調に影響を及ぼすことがあります。 特に気温の急激な変化は、腹痛を含む不快感を引き起こすことがあります。 過敏性腸症候群は こちら 外出中に腹痛がおきたときの対処法は? 外出中に腹痛が起きた場合はどのように対処すればいいか考えていきましょう。 まず一番初めに行うのは最優先でトイレを探すことです。 外出中に限って腹痛がおきるときは過敏性腸症候群の可能性が高いのですが、過敏性腸症候群であれば排便することで、症状を和らげることができます。 トイレ中は深呼吸を行い、リラックスを試みてみてください。 ゆっくりとした呼吸を行うことで、自律神経が交感神経から副交感神経に切り替わり痛みを和らげるのに役立つことがあります。 また、軽く腹部をマッサージすることも有効です。 もし、軽い運動やストレッチが行える環境なら、これらを行うことで、お腹のガスが排出されて腹部の緊張がほぐれることがあるので試してみましょう。 腹痛がおきたときはお腹を温めた方がよいので、白湯やハーブティーなどのカフェインレスの温かい飲み物を摂った方がよいです。 温泉やお風呂などでお腹を温めるのも非常によいです。 ただし、これらを試みても腹痛が改善しなかったり、症状が慢性的である場合や痛みが強い場合は、医療機関を受診しましょう。 いかがでしたでしょうか。 このブログで解説したように、電車の中や外出中に限って腹痛がおきるときは過敏性腸症候群の可能性が高いです。 過敏性腸症候群は軽いものであれば生活習慣の工夫で改善できますが、中等症以上になると薬物療法が必要です。 また、腹痛の原因には様々なものがあり、過敏性腸症候群だと思い込むのも危険です。 数時間様子をみても改善がない、症状がひどくなってくる、といった症状があれば、まずは医療機関に相談しましょう。 電車の中や外出中の腹痛でお困りの方は、大阪の堺なかむら総合クリニックにお気軽にご相談ください。 堺なかむら総合クリニック【診療案内】 「電車や外出中の腹痛でお困りの方は大阪の堺なかむら総合クリニックにお任せください。」2023.07.12
胃が荒れる飲み物はお酒?コーヒー?症状や対処を専門医が解説!「何となく胃のあたりが痛い」などの症状があったり、胃カメラやバリウム検査で「胃が荒れている」と医師に言われ不安な方へ。 胃が荒れる原因にはお酒やブラックコーヒーなどの飲み物の他、ロキソニンやバファリンなどの薬が原因になることもあります。 この記事を読めば、胃が荒れる症状や対処法について正しく理解し明日からのご自身のご健康にお役立て頂けます。 それではどうぞ! (この記事は消化器病専門医の中村孝彦医師が執筆しています) 「私も空腹時にお酒やブラックコーヒーをいきなり飲むと胃が痛くなります」 胃が荒れる飲み物はお酒?コーヒー? ロキソニンなどの薬で胃が荒れる? 胃が荒れる時の症状と考えられる病気は? 胃がんの初期症状・前兆をチェック! 胃が荒れる原因と対処法【まとめ】 胃が荒れる飲み物はお酒?コーヒー? 空腹時にお酒を飲んだりすると胃が痛くなることがあります。 特にアルコール度数の強いお酒になるとよりその傾向があります。 お酒には胃の粘膜を刺激して胃酸の分泌を増やす作用があります。 胃酸は食べ物を消化しやすくするために胃粘膜から分泌される強酸性の液体です。 通常、私たちの身体からは、強い胃酸から胃自体を守ってくれる粘液も同時に分泌されていますが、お酒の刺激で胃酸が多く分泌されると守る粘液とのバランスが崩れて粘膜が障害をうけます。 粘膜の障害は胃だけではなく、食道や十二指腸といった胃の周辺の臓器に及ぶこともあります。 結果として、胃が荒れる、胸焼けがするといった症状を引き起こすのです。 ブラックコーヒーなどを空腹時に飲むのも胃が荒れる原因となります。 コーヒーに含まれるカフェインにはお酒と同様に胃酸を増やす働きがあるためです。 お酒やコーヒーなどの刺激物を摂りすぎると胃が荒れて胃腸の調子が悪くなることがあります。 胃腸の調子が悪くなると口臭や下痢、肌荒れを引き起こすことがあるので要注意です。 胃が荒れる原因がお酒やコーヒーのせいだと思い込むのにも注意が必要です。 胃が荒れる原因となる病気には、ピロリ菌感染による胃炎や胃潰瘍、さらに次項以降で述べる胃がんが隠れている可能性もあります。 ロキソニンなどの薬で胃が荒れる? 痛み止めとしてよく用いられるロキソニンなどの薬を頻繁に飲むことで胃が荒れやすくなることが知られています。 ロキソニンはNSAIDs(エヌセイド)と呼ばれる種類の痛め止めの薬になります。 胃荒れの予防薬などを併用せずにNSAIDsだけを服用していると、10~15%程度の頻度で胃が荒れて胃潰瘍を起こすと報告されています(消化性潰瘍診療ガイドライン2015(改定第2版)) NSAIDsによって胃が荒れるメカニズムとして大きく以下の2つがあります。 ①胃粘膜に対して保護的に作用しているプロスタグランジンという物質の産生を阻害する ②胃という酸性条件下で薬がイオン化し、胃粘膜細胞を直接障害する ではロキソニンなどの痛み止めで胃が荒れやすい人はどうすれば良いのでしょうか。 まず、①を防ぐためには予防薬をNSAIDsと一緒に内服することです。 保険適用のあるものとしては、PPI(プロトンポンプ阻害薬)やプロスタグランジン製剤が用いられますが、主に副作用の少なさから現場ではPPIの方がよく用いられている傾向にあります。 次に②を防ぐためにはロキソニンなどのNSAIDsと胃粘膜が物理的に接触することをできるだけ避ければよいことになります。 具体的には、お腹が空っぽのときは薬と胃が直接、接触しやすいので、痛み止めを飲むときには空腹時を避けて服用する。 あるいは薬を飲むときは多めの水と一緒に服用したりといった対処によって、胃が荒れるのを防ぐことができることになります。 胃が荒れる時の症状と考えられる病気は? 胃が荒れると、胃もたれや、ゲップ、吐き気、食欲が出ない、お腹が張る、などの症状が出ます。 症状がひどくなると、えづきが止まらなくなったり、みぞおちの痛みで夜目が覚めてしまったり、痰に血が混じったりします。 これまで述べたお酒やコーヒーといった飲み物や、ロキソニンなどの痛み止めの薬以外に、胃が荒れている時に考えられる病気には以下のようなものがあります。 ①胃炎(急性胃炎・慢性胃炎) ②胃潰瘍 ③胃がん ①胃炎(急性胃炎・慢性胃炎) 胃炎はお酒や薬の他にも、食事やピロリ菌の感染、ストレスなど様々な原因によって、胃の粘膜保護因子が低下して胃の粘膜に炎症が生じる状態です。 胃炎には急性胃炎と慢性胃炎があります。 急性胃炎は突然急に胃の粘膜に炎症がおこる状態で、炭水化物を中心とした素うどんやおかゆ、豆腐や白身魚といった消化に良い食事を摂っていると数日から1週間くらいで軽快します。 炎症が軽快せずに長期間にわたると、慢性胃炎とよばれる状態になります。 慢性胃炎は別名、萎縮性胃炎ともいわれますが、ピロリ菌感染が主な原因になります。 ②胃潰瘍 胃潰瘍では胃酸と胃粘膜の保護因子のバランスが崩れて、胃の粘膜がただれて、胃の壁が傷つく病気です。 通常、胃粘膜は粘液によって胃酸から守られているのですが、ピロリ菌感染やストレス、お酒、コーヒー、たばこ、熱いものや辛いものの過剰な摂取によって胃酸と粘液のバランスが崩れて胃潰瘍を発症します。 初期の胃潰瘍は、胃が荒れた感じ、胃もたれ、胃の不快感といった症状が出ますが、悪化するとみぞおちの強い痛みや、吐血、黒い便が出たりします。 ③胃がん 胃がんは、ごく初期のものだと症状が出ないのですが進行すると、胃が荒れた感じ、胃もたれや吐き気、お腹の痛み、食欲の低下などがおこります。 胃の内側の粘膜から発生する癌のことを胃がんと呼んでいます。 胃がんのはじまりは細胞単位で発生するため人間の眼でみつけることはできません。 しかし、だんだんとその癌細胞が年月をかけて横に大きくなるとともに縦に深く拡がっていきます。 最初は胃の粘膜内を横に拡がりほかの臓器に転移することはありません。 ところが、それを放置しているとそのうちに横方向だけではなく縦方向、つまり胃壁の外側に向かって胃がんが広がっていきます。 縦方向に広がっていくと、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜へと広がり、ついには胃の壁から飛び出して膵臓や大腸などほかの臓器にまで広がっていきます。 胃がんの初期症状・前兆をチェック! 胃がんの初期の段階では初期症状・前兆が乏しく、また進行しても自覚症状が出ないという方もいらっしゃいます。 胃がんの主な症状は胃の痛みや不快感、違和感、胸やけ、吐き気、食欲の低下です。 がんが進み胃から出血をしていた場合には黒い色の便や吐血、貧血を起こすこともあります。 関連記事:【貧血症状の応急処置に良い食べ物】原因と対処を解説! さらにがんが進んだ状態である進行がんでは、体重が非常に減少することがあります。 関連記事:【体重減少】病気の原因はがん?何科で検査? 早期の胃がんは胃炎や胃潰瘍を疑って検査をした場合にたまたま発見されるということもあります。 進行がんの症状が出ている場合にはすぐに治療をする必要があるため、速やかにクリニックや病院を受診されることをおすすめします。 粘膜、そして粘膜下層までに留まっている胃がんを早期胃がんと呼びます。 早期胃がんの場合は、多くのケースで内視鏡治療によって完治を見込めます。 一方、筋層よりも深く広がっている胃がんを進行胃がんと呼びます。 進行胃がんになると内視鏡治療は適応外となり、手術など他の治療の適応となります。 がんが縦方向に深く広がれば広がるほど転移する可能性が高くなります。 転移はがんがほかの臓器に飛び火することをさします。 胃がんが胃粘膜内に留まっている場合は転移はほとんど起こりません。 しかし、胃がんが粘膜下層より深く広がると小さなリンパ管や血管にがん細胞が入り込んでリンパ節や肝臓などに飛び火することがあります。 転移する臓器としては①リンパ節 ②腹膜 ③肝臓 ④そのほかの臓器(これを遠隔転移とよびます)の順番に頻度が高くなります。 ①リンパ節転移 リンパ節は全身のいたるところに存在します。 リンパ節には沢山のリンパ球とよばれる免疫細胞が存在し、細菌やウイルスなどの外敵の侵入を食い止める免疫の役目を果たしています。 リンパ節は胃の周囲にも多数存在しています。 がん細胞がリンパ管を通ってリンパ節に侵入して増えている状態をリンパ節転移と呼びます。胃の周りのリンパ節(第1群リンパ節)、胃の裏側と膵臓の周りのリンパ節(第2群リンパ節)までの転移であれば外科手術で切除できます。 しかし、大動脈周囲のリンパ節(第3群リンパ節)、遠くはなれたリンパ節(遠隔リンパ節)に転移しているときは外科手術の適応外となります。 ②腹膜転移 胃がんが胃壁を深く広がって胃壁の外側の漿膜を越えていくとがん細胞がお腹の中に散らばった状態になります。 これを腹膜転移(または腹膜播種)とよびます。 がん細胞が大腸や小腸、大網(たいもう)や腹膜にくっついてそこでがん細胞が増殖する転移です。 この状態まで転移が進行すると腹水という水がお腹にたまったりします。 腹膜転移が進行すると、さらに様々な症状がでることがあり、例えば大腸や小腸に広がると腸閉塞などが生じることがあります。 ③肝転移 胃から出て行く血流は門脈という太い血管を通って肝臓に流れ込みます。 この血流をつたってがん細胞が肝臓に流れていって肝臓で増殖して大きくなる転移を肝転移とよびます。 ④遠隔転移 そのほか遠隔転移する臓器としては、肺、骨、髄膜、脳、皮膚などがあります。 女性では卵巣に転移することもあります。 早期胃がんの状態で見つけることができると、内視鏡治療などの適切な治療によって多くの場合治癒が可能です。 そのため、やはり早期発見、早期治療が重要です。 しかし、早期胃がんの状態ではほとんどの場合自覚症状は無いため、症状が無くても定期的な検査を受ける事が重要となります。 症状が出るのは進行がんになってからが多いので「私は症状がないので大丈夫」というのは、がんの世界では大間違いなのです。 一般的に胃癌の手術というと、お腹を切る外科手術をイメージされますよね。 ところで、お腹を切らない手術「内視鏡手術」があるのをご存知でしょうか? 内視鏡手術は、治療用の内視鏡から電気メスなどの器具を入れて病変部を切除する手術の方法です。 体への負担は外科手術よりも小さくなり、胃の機能も保たれるのが大きな特徴です。 対象となるのは、ステージIの早期がんの一部です。 ただし、ステージIでも内視鏡的切除の対象にならず、外科的手術を受ける人もいます。 内視鏡手術には、EMR(イーエムアール:内視鏡的粘膜切除術)とESD(イーエスディー:内視鏡的粘膜下層剥離術の略)の2つがあります。 EMRやESDの対象になるのは、主に粘膜内に留まっている悪性度の低いがんです。 このようながんはリンパ節に転移していることがほとんどないとされ、EMRやESDの良い適応とされます。 内視鏡手術の具体的な方法について説明します。 EMRは、まず生理食塩水などを病変の下の粘膜下層に注射して病変を浮き上がらせます。 次に内視鏡の先端からスネアという輪っか状のワイヤーを出して浮き上がった病変を締め、高周波電流を流して病変を焼き切る方法です。 ESDは、EMRと同様に病変を浮き上がらせた後、内視鏡先端から専用の電気メスを出して病変部分と粘膜下層を高周波電流で焼きながら切除する方法です。 EMRやESDの主な合併症としては、出血と穿孔があります。 合併症の頻度は5%以下とされます。 穿孔は切除する場所の消化管壁に穴があいてしまうことです。 穿孔が起きてもすぐに閉じれば問題ありませんが、腹膜に炎症が起きると腹膜炎という状態になり、腹痛や発熱などを生じることがあります。 出血に関しては、切除中にみられる出血と切除後しばらくしてからみられる場合があります。 そのほとんどは内視鏡で止血することができますが、稀に輸血をしたり緊急手術が必要になることがあります。 仮に穿孔が起きても、内視鏡で穿孔部位を閉じることができますが、緊急の外科手術を必要とすることが稀にあります。 胃が荒れる原因と対処法【まとめ】 いかがでしたでしょうか。 今回のブログでは胃が荒れる原因と対処、そして見逃してはいけない胃がんについてご紹介しました。 胃が荒れる原因について知らなかった方にとって参考になれば幸いです。 楽な内視鏡検査は こちら 下剤を飲まない大腸検査は こちら 「胃が荒れていると感じた方は一人で悩まずにお気軽にご相談ください」2023.04.14
残便感・おならの原因は痔?大腸癌?「トイレにはよく行きたくなるけど、なんどトイレに行っても残便感があってすっきりしない」 「臭いおならがよく出る」 などの症状でお困りの方へ。 痔や大腸癌との関係、女性の更年期障害との関係を気にされている方は多いかと思います。 今回は、これらについて、どこよりも分かりやすく専門医が解説していきます。 それでは早速どうぞ! (本稿は日本消化器病学会・消化器病専門医の中村孝彦医師・中村玲佳医師が執筆しています。) 「気になる残便感について徹底的に解説します」 残便感の原因は? 残便感とおなら、大腸癌は関係ある? 残便感の原因が痔の場合の治療は? 残便感の原因が便秘の場合の治療は? 残便感の原因が大腸癌の場合の治療は? 残便感の原因が消化管の機能障害の場合の治療は? 残便感の原因が残便感の原因が精神的ストレスの場合の治療は? 残便感の原因が更年期障害の場合の治療は? 残便感の原因は? 残便感は、腸内の便が完全に排出されず、残っている感覚を指します。 一般的に、残便感の原因は以下のようなものがあります。 1.便秘 便が腸内に滞留し、排便が不十分になることで残便感を感じます。 2.痔 痔は直腸内の静脈が膨張して腫れることで生じる病気です。 痔によって排便時に痛みや不快感が出て、これを残便感と感じることがあります。 3.大腸癌 大腸がん、大腸ポリープなどの腸内疾患が原因で残便感を引き起こすことがあります。 特に直腸やS状結腸といった肛門の出口に近い腸に腫瘍性病変ができることで残便感を感じるときがあります。 4.消化管の機能障害 胃や小腸、大腸の動きが鈍くなり、便の量が減って腸内に便が滞留している時間が増えて、残便感が生じることがあります。 5.精神的ストレス 脳腸相関といって腸は脳の影響やストレスを敏感に感じとる臓器です。 ストレスや不安感が腸の運動を妨げ、便秘や残便感を引き起こすことがあります。 6.女性の更年期障害 女性の更年期障害は卵巣機能の低下によって生じる身体的および精神的な症状の総称です。 卵巣機能の低下による女性ホルモンのバランスの変化によって残便感を生じることがあります。 残便感とおなら、大腸癌は関係ある? 残便感は、便が直腸内に残留している感覚であり、排便の欲求があるが排便ができない状態を指します。 一方、おならは直腸内や大腸内で発生するガスを肛門から排出することを指します。 残便感とおならは、一定の関係があります。 便が直腸内に残留していると、便の質や量に応じて大腸内で発生するガスの量も増加します。 そのため、残便感を感じる場合には、おならが出やすくなる傾向があります。 また、おならを排出することで、直腸内の圧力が下がり、排便を促進することができることもあります。 ちなみにおならと大腸癌は関係あるのでしょうか。 大腸内で腐敗・発酵する食物から発生するガスは、一部が肛門からおならとして排出されます。 大腸癌が進行すると、腫瘍が大腸内の通り道を塞ぎ、腸内の細菌が異常増殖することがあります。 そのため、大腸癌による腸内環境の変化によって、おならの匂いや排出量が変化することがありますので要注意です。 残便感の原因が痔の場合の治療は? 痔は肛門周囲の静脈が膨張して炎症を起こすことでできる肛門部の隆起のことをさします。 痔ができると肛門の出口が狭くなるので、直腸内の圧力が高まり、その結果、排便時に痛みや不快感を引き起こすことがあります。 また、痔が腫れることで、直腸内の空間が狭くなり、便が通りにくくなることもあります。 このような状況が続くと、便が腸内に滞留し、残便感を引き起こします。 痔が原因で残便感を感じる場合は、まず痔の治療が必要です。 軽度の痔であれば、塗り薬や浴槽に浸かることで症状を緩和することができます。 軽い痔であればボラザG軟膏を、腫れている痔であればステロイド入りの注入軟膏であるヘモポリゾン軟膏を用います。 しかし、肛門の外に脱出してくる重度の痔の場合は、外に脱出してきた重度の痔の場合は手術が必要なこともあります。 日帰りでできるゴム輪結紮術などの治療もありますが、最重症のものに関しては入院で手術を行わないといけない場合もあります。 軟膏治療や手術によって痔の腫れを取り除くことで、残便感を改善することができます。 楽な痔の治療は こちら 残便感の原因が便秘の場合の治療は? 便秘が続くと、腸内の便が硬くなり、排便が困難になります。 そのため、排便時に便が完全に排出されないことがあります。 便が腸内に残ることで、腸内に圧迫感や不快感を感じ、残便感を引き起こすことがあります。 また、便秘が続くと、腸内の菌が増え、腸内環境が悪化することがあります。 これによって、腸内で便が滞留する時間が長くなり、便が硬くなります。 便が硬くなると、腸内を通過するのが困難になり、排便が不完全になり、残便感を引き起こすことがあります。 便秘が残便感の原因になっている場合は、まず便秘の改善が必要です。 食物繊維を多く含む食事や運動、水分補給などにより、腸内の便を柔らかくし、排便を促すことが大切です。 また、ストレスを感じる場合は、リラックスする方法を見つけることが大切です。 便秘を改善するためには、以下のような方法が有効です。 ☑食物繊維を多く含む食品を摂る ☑水分を十分に摂る ☑運動をする ☑規則正しい生活リズムを作る これらの生活習慣の改善によって便秘がよくならなかった場合は、便秘薬の出番です。 便秘薬を使う場合は、まず、緩下剤といって便に水分を含ませて便がスルッと出やすくする薬を使います。 具体的には、酸化マグネシウム(マグミット)、アミティーザ、リンゼスといった薬です。 他に、モビコールといって、体の中に吸収されにくい水薬を使って、文字通り便を水で押し流すような薬も近年販売されており、体にやさしい便秘薬の選択肢がどんどん増えています。 これらの緩下剤でダメな場合は、次に腸の動きをよくする薬を使います。 最もマイルドで身体にやさしいのは、腸の血流をよくして腸の動きや腸管ガスの排出を促す大建中湯というお薬です。 これは腸閉塞の患者さんにも非常によく効くお薬です。 グーフィスという比較的最近販売された薬も良いお薬です。 グーフィスは便をやわらかくする緩下剤の働きと、腸の動きをよくする刺激性下剤の働きの両方を持つお薬です。 今まで述べてきた下剤は全て、長期間使用しても耐性がないお薬で、副作用も比較的少ないお薬です。 しかし、これらのお薬だけではどうしても便が出ない方がおられ、そういう方に対しては、センノシド・ピコスルファートなどの刺激性下剤やグリセリン浣腸などの浣腸製剤を使います。 上記の刺激性下剤は長期使用で耐性があり、腸の筋肉がへたって効きにくくなってくるので、どうしても便が出ない時だけに「頓用」というスポットでの使用が推奨されます。 便秘外来はこちら 残便感の原因が大腸癌の場合の治療は? 残便感は大腸癌の症状の一つであることがあります。 大腸癌は、大腸の内側の細胞が異常な成長をして腫瘍を形成する疾患です。 腫瘍が大きくなると、便の通り道を塞ぐことがあり、便が排出されずに残便感を引き起こすことがあります。 大腸癌が原因で残便感が生じる場合、他にも以下のような症状が現れることがあります。 ☑血便 ☑下痢または便秘 ☑腹痛 ☑体重減少 ☑腸の動きの異常 大腸癌の検査で最もスタンダードな検査が大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。 大腸内視鏡検査は、実際に腸の中を医師の肉眼で見ることで非常に正確な診断ができると同時に、治療もすることができるという非常に優れた検査です。 大腸内視鏡検査により、腫瘍の有無や大きさ、位置などを確認することができます。 大腸癌の治療には、先に述べた大腸内視鏡検査の検査中にできる内視鏡手術の他に、入院して行う外科手術、化学療法、放射線療法などがあります。 治療法は、病気の進行度合いや患者の年齢や身体状況によって異なります。 大腸癌は早期に発見し、治療を受けることで9割以上が治癒する病気なので、早めに検査を受けることが大切です。 楽な内視鏡検査はこちら 残便感の原因が消化管の機能障害の場合の治療は? 消化管の機能障害は、残便感の原因となることがあります。消化管の機能障害には、以下のようなものがあります。 運動機能障害 消化管は、口から肛門までの一連の筋肉の収縮によって、食物や消化物を運びます。この筋肉の収縮に問題があると、便がうまく排出されずに残便感を引き起こすことがあります。 消化液分泌機能障害 胃や腸などの消化管では、消化液を分泌して食物を分解します。この消化液の分泌に問題があると、食物が十分に分解されずに便が硬くなり、排出されにくくなります。 粘膜障害 消化管の内壁にある粘膜には、腸内環境を調節するための菌が生息しています。 この粘膜に問題があると、腸内環境が悪化して便が硬くなり、排出されにくくなることがあります。 これらの消化管の機能障害によって、便がうまく排出されずに残便感を引き起こすことがあります。 消化管の機能障害を改善する方法には、まず、食物繊維を多く含む食品の摂取、水分の摂取量を増やす、適度な運動を行うの生活習慣の改善が挙げられます。これらの生活習慣の改善で効果がなければお薬を使った治療を行います。 胃の機能障害(機能性ディスペプシアともいいます)に用いる代表薬としては、六君子湯、アコファイドがあります。 小腸の機能障害には、モサプリド(ガスモチン)というお薬を使います。 一方、大腸の機能障害(過敏性腸症候群ともいいます)には、大建中湯や、コロネル、イリボーといった薬を用います。 残便感の原因が精神的ストレスの場合の治療は? 精神的ストレスは、便秘や下痢などの消化器症状を引き起こすことがあり、残便感の原因にもなることがあります。 ストレスは、身体的な反応として交感神経が活性化し、消化器官の運動を抑制することが知られています。 このため、ストレスが続くと消化管の運動が低下し、便秘を引き起こすことがあります。 また、ストレスが原因で下痢が発生する場合、下痢後にも残便感を感じることがあります。 さらに、ストレスは脳と消化器官の間に相互作用をもたらすことがあります。 脳がストレスを感じると、消化管に影響を与える神経伝達物質のバランスが変化し、消化管の運動を調節する神経系に影響を与えることがあります。 その結果、便秘や下痢、残便感などの消化器症状が発生することがあります。 このように、ストレスと消化器症状、残便感には密接な関係があることが分かっています。 ストレスを感じる場合には、リラックス法や運動、睡眠の改善などのストレス解消法を取り入れることが、残便感の改善につながる場合があります。 残便感の原因が女性の更年期障害の場合の治療は? 女性の更年期障害に伴う残便感には、まず食物繊維を多く含む食品や水分を適量摂ること、運動習慣を身につけることで腸の運動を改善するようにし、補助的に便秘薬を用いてます。 これらでも改善がなければ、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などの更年期障害を改善する漢方薬を用います。 更年期障害に伴う低下した卵巣機能を補うために、女性ホルモンの補充療法が行われることもあります。 ホルモン補充療法によって、便秘が改善することもあります。 また更年期障害に合併したストレスや不安、うつ病などの精神疾患が原因である場合には、心理療法や抗不安薬、抗うつ薬などの治療が行われることがあります。 いかがでしたでしょうか。 このように残便感を引き起こす原因には様々なものがあり、原因によって治療法が異なります。 残便感がある場合、当院では、まず肛門鏡検査で痔疾患の有無と肛門機能を調べます。 痔疾患がなく肛門機能に問題がない場合は、大腸、特に肛門部に近い腸であるS状結腸や直腸に大腸癌や大腸ポリープなどの腫瘍性病変がないかどうかを調べるために大腸内視鏡検査を行います。 肛門鏡検査や大腸内視鏡検査で問題がない場合は、腸の動きなどの機能に問題があると考え、腸の機能を改善する薬を使用したり場合によっては更年期障害の治療をします。 残便感でお困りの方は、大阪の堺なかむら総合クリニックにお気軽にご相談ください。 肛門科はこちら 「残便感でお困りの方は大阪の堺なかむら総合クリニックにお任せください。」