切らない痔の治療・痔の日帰り手術・肛門科【女性医師可

おしりの痛み、出血、かゆみ等の悩みはお気軽にご相談を 

診療室

いぼ痔(痔核)などは、肛門のできものや排便時の出血や痛みといった自覚症状があり、生活の質を落とします。

 

しかし、「恥ずかしい」「不安」といった痔・肛門科診療のイメージがあり、特に女性の患者さんは受診を躊躇されるのではないでしょうか。

 

便秘気味の男性やデスクワークの多い男性はもちろん、実は女性は妊娠・出産の関係で痔や肛門の病気になりやすいのです。

 

また、女性はダイエットや産後の女性ホルモン等の影響で便秘になりがちで、人知れずお悩みの患者様が多い印象です。

 

肛門病にはいぼ痔(内痔核、外痔核)、切れ痔(裂肛)、あな痔(痔ろう)、肛門ポリープ、肛門周囲膿瘍、あるいは感染症である尖圭コンジローマや肛門カンジダ症などがあります。

 

肛門のできものや突出、便秘、排便時の出血や痛み、肛門周囲のかゆみ、出産後の痔などでお悩みの方はお気軽にご相談ください。当院は切らない痔の治療に力を入れており、痔の日帰り手術にも対応しております。
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御希望の方には女性医師と女性看護師が診察いたします

診療室

当院では、肛門科の患者様のプライバシーに配慮しご希望の方には女性医師が診療にあたらせて頂きます。もちろん、男性の患者さまで男性医師をご希望の方は男性医師が診察を担当いたします。

 

「恥ずかしい」「羞恥心がある」などでためらわれている肛門科の患者さまでも安心して受診頂けます。

肛門病は初期の物ではヘモナーゼ配合錠といった内服治療、ボラザG軟膏やヘモポリゾン軟膏を使った軟膏治療、あるいは抗生剤治療で良くなりますが、中等症以上になると日帰り手術が必要になることがあります。

 

当院では痔の日帰り手術に関しても積極的に行っており、内痔核に対する「痔核結紮術」、血栓性外痔核に対する「外痔核血栓摘除術」、肛門周囲膿瘍に対する「肛門周囲膿瘍切開術」などを行っています。

 

「痔核結紮術」は診察時間内で痛みも少なく治療できます。膨らんだ痔を陰圧で吸引し特殊ゴムで結紮すると数日で自然脱落し切らずに無理なく治すことができます。

 

排便時の出血は痔(いぼ痔やきれ痔)のこともありますが、大腸がんが合併していることがあります。

 

排便時の出血の原因をすべて痔と考えてしまい、潜んでいる大腸がんを見逃してしまうことがあるので同時に大腸内視鏡検査を受けることも大切です。

 

当院では、診察予約ページから「女性医師希望」を選択頂くと、診察から検査まで全て女性医師、女性看護師が担当する女性専用外来(月~土の全ての曜日で可能です)が受診できますので女性の方もご安心ください。

担当女性医師:中村玲佳

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痔の日帰り手術を詳しく!痔の手術後の生活は?

1.痔の日帰り手術を解説!女性も安心!

2.入院の結紮切除術・日帰り手術のゴム輪結紮術

3.痔の手術の後遺症は?術後の痛みはいつまで?

4.痔の手術後の性行為(性生活)はいつからOK?

5.痔の手術の体験記-堺市で評判のいい病院と聞いて受診-

1.痔の日帰り手術を解説!女性も安心!


そもそも「痔」というのは総称で、医学用語では、「痔」の概念の中に、内痔核や外痔核(いぼ痔)、裂肛(きれ痔)、痔瘻(あな痔)などを含みます。

 

このうち、痔の日帰り手術とは、主に内痔核(いぼ痔)や血栓性外痔核、肛門周囲膿瘍に対する治療のことを指します。

 

痔の日帰り手術はどういった流れで行うのでしょうか?

 

当院を例に説明させて頂きます。

 

まず、ホームページからインターネットで受診日を選択し、診察予約を行います。

 

当院のケースだと、女性医師の診察希望の方は、女性医師の診察枠で予約します。

 

クリニックを受診後、診察室に入り、まず問診があります。

 

診察では、以下のような事項の問診があります。

①痔の出血の有無
②痔の脱出の有無
③肛門の痛みの有無
④しこりの有無
⑤かゆみの有無

 

①痔の出血の有無

排便時にポタポタとほとばしるような出血は内痔核の可能性が高いです。

 

ティッシュペーパーに軽く付く程度の出血は裂肛(きれ痔)が考えられます。

 

ただし、きれ痔はほとんどが排便時の痛みを伴いますので、これも見分けるポイントです。

 

一方、要注意なのが、便に血が混じっているケースや粘血便、下痢や腹痛を伴う場合です。

 

この場合は、痔というよりも、腸から出血していることがほとんどです。

 

具体的には、大腸癌、潰瘍性大腸炎、大腸憩室出血、虚血性大腸炎、放射線性直腸炎などの病気が考えられます。

 

②痔の脱出の有無

痔がおしりの外に脱出しているケースでは、いつから脱出していたかがポイントになります。

 

突然おしりに脱出しているものができた、という時は、急性外痔核という病気が考えられます。

 

これは外痔静脈という血管の中に血栓ができた状態で別名「血栓性外痔核」ともよびます。

 

血栓性外痔核では表面が少し黒っぽくなり、堅いしこりとして触れ、痛みを伴います。

 

一方、以前から痔が脱出しているケースでは、内痔核や、きれ痔に伴う見張りいぼや肛門ポリープなどがあります。

 

③肛門の痛みの有無

排便に関係する肛門の痛みの場合は、急性裂肛(きれ痔)のことが多いです。

 

一方、急性裂肛の治癒が不十分な状態である慢性裂肛になると、排便後の痛みとして自覚します。

 

④しこりの有無

肛門部でしこりを触れ、それが肛門と連続しているときは、あな痔(痔瘻:じろう)が考えられます。

 

多くの場合、しこりと肛門の間に、触って分かる線状のかたいものを触れるのが特徴です。

 

逆に肛門と連続していない、しこり、がある場合は、膿皮症や毛巣洞、粉瘤などの皮膚科の病気を考えます。

 

⑤かゆみ

肛門や肛門の周囲にかゆみを感じることを、「肛門掻痒症(そうようしょう)」といいます。

 

この原因として重要なのは、肛門部に発生する感染症です。

 

真菌(カビ)感染症として、白癬やカンジダ症があります。

 

ウイルス感染症として、尖圭コンジローマや単純疱疹、帯状疱疹などが代表的です。

こういった問診が終わった後、当院ではカーテンで区切られた診察ベッドで左側臥位となって頂きます。

 

患者さんからみると、医師と目を合わさなくて済む体位になるので女性の方でも安心です。

 

診察ベッドでは、肛門鏡検査を行いますが、このとき同時に指診を行います。

 

指診では、圧迫して痛いかどうかの評価、しこりの有無の評価を行います。

 

肛門鏡検査は、下図のような筒型の肛門鏡とよばれる器具を肛門に挿入します。

肛門鏡検査は、浣腸などの前処置が不要なので、比較的短時間で施行される検査です。

 

肛門鏡検査は、いぼ痔(痔核)やきれ痔(裂肛)、あな痔(痔ろう)といった痔疾患を評価できるのはもちろんですが、直腸も観察できるため潰瘍性大腸炎の病状評価などにも応用できる優れた検査です。

 

肛門鏡で日帰り手術が必要な痔疾患であると診断された場合、そのままの流れで日帰り手術を行うか、後日改めて治療を行います。

 

複数の痔疾患をお持ちの場合は、複数回に分けて治療を行います。

 

日帰り手術が必要な場合でも、ほとんどのケースで内服治療や、軟膏治療を並行して行います。

 

日帰り手術で対応できない疾患の場合は、速やかに連携する総合病院に紹介させて頂き入院治療を検討します。

 

当院では、女性の患者様で御希望の方には女性医師が対応致しますので、羞恥心がある方でも安心して検査・治療を受けて頂けます。

2.痔の日帰り手術「ゴム輪結紮術」


痔の日帰り手術「ゴム輪結紮術」

当院で行っている痔の日帰り手術は、内痔核に対するゴム輪結紮術と、血栓性外痔核に対する血栓摘出術という治療です。

 

内痔核に対するゴム輪結紮術は、切らない痔の治療になります。

 

特殊な結紮器(けっさつき)とよばれる医療器械を用いて、ターゲットの痔核(いぼ痔)を結紮器の中に引き込みます。

 

痔核結紮器

痔核の根元に医療用のゴム輪をかけてしばり、痔核の血流を遮断して痔核を縮小・脱落させる治療法です。

 

全身麻酔や腰椎麻酔は必要なく、治療時間は5分程度と非常に短時間で行える痔の日帰り手術です。

 

肛門の内側にある神経が通ってない内痔核に対する治療のため、基本的に痛みはありません。

 

医療用のゴムをかけた痔核は1-2週間ほどで自然に壊死し、排便時などにゴムと一緒に自然に脱落します。

 

内痔核が複数ある場合は、前回の手術の傷が治った時期に、他の内痔核にもゴム輪結紮術を行います。

 

いずれも保険点数は1390点で、肛門鏡検査の費用や診察料込みで3割負担で約5,000円です。

 

一方、より根治的な治療として、入院で行う結紮切除術があります。

 

結紮切除術は、電気メスなどで痔核組織を剥離して、痔の根本の痔動脈を縛って切除する手術です。

 

結紮切除術は1週間から2週間ほどの入院が必要な治療です。

 

費用は、3割負担で2~3万円かかる手術費用と、1週間で5~9万円程度かかる入院費用を合わせて、7万円~12万円かかります。

 

ゴム輪結紮術と結紮切除術を比較したShanmugam(1)らの報告によると、重症度の高い内痔核(GradeⅢ)では結紮切除術の治療効果がやや高いものの、軽症から中等度(GradeⅠ,Ⅱ)

では同程度の治療成績でした。

 

全体では、ゴム輪結紮術の治癒率は69-94%、結紮切除術の治癒率は76-100%と報告されています。

 

一方、合併症でみてみると、術後の疼痛や術後出血、肛門狭窄などの術後合併症が、結紮切除術の方がゴム輪結紮術よりも6倍以上、有意に多い結果でした。

 

ガイドラインによると患者満足度は、ゴム輪結紮術で73.5-95%、結紮切除術後で66-93%と、ゴム輪結紮術の方が高いと報告されています。

 

他の痔核治療としては、ALTAを用いた硬化療法があります。

 

まとめると、重症度の高い痔核では入院での結紮切除術の方が日帰り手術のゴム輪結紮術よりやや効果が高いものの、費用が高く(約10万円 vs 約5千円)、合併症率が高くて(約6倍)、要する時間も長い(1-2週間 vs 5分)という結果でした。

3.痔の手術の後遺症は?術後の痛みはいつまで?


当院で主に行っているゴム輪結紮術は、神経の通っていない内痔核を対象とするため、痔の日帰り手術後の痛みは原則ありません。

 

痔の日帰り手術後に痛みや違和感を感じる方は全体の1%未満ですが、その場合でも痛みのピークは当日で、1週間以内の期間で収まります。

 

治療後の部位には軟膏を処方しますが、痛みや肛門部の違和感が気になる方には、内服の痛みどめも追加で処方させて頂きます。

 

ごく稀(1%未満の頻度)ですが、術後1-2週間後にゴム輪が外れた際に出血することがあります。

 

ほとんどが少量の出血で経過観察が可能な程度ですが、出血量が多い場合は止血処置をいたします。

 

痔の日帰り手術における後遺症はあるのでしょうか?

 

先に紹介したShanmugamらの報告でも、入院が必要な結紮切除術で報告されている後遺症である肛門狭窄は結紮切除術75例中4例が報告されているのに対して、日帰り手術のゴム輪結紮術は73例中0例と報告されていません。

 

失禁(便やおなら)も結紮切除術56例中2例が報告されているのに対して、ゴム輪結紮術は60例中0例と報告されていません。

 

また、術後腰痛も結紮切除術45例中1例が報告されているのに対して、ゴム輪結紮術は43例中0例と報告されていません。

 

実際に当院でも後遺症の経験はなく、術後の後遺症はほとんど生じないと考えられます。

4.痔の手術後の性行為(性生活)はいつからOK?


痔の日帰り手術後には、頻度はかなり低いものの、術後出血や術後の痛みが生じることがあります。

 

そのため、痔の日帰り手術後の2週間は、肛門に圧力のかかる可能性のある性行為は控えた方が無難といえます。

 

同様に腹圧や肛門に圧力のかかる激しい運動や力仕事も2週間は控えましょう。

 

入浴は、日帰り手術の当日は、短時間のシャワー程度にしておき、手術翌日から入浴可能となります。

 

食事メニューは1週間程度は、脂肪分が少なくて、炭水化物中心の消化のよい食事とし、水分をしっかりとって、毎日排便があるようにしましょう。

 

お酒(アルコール)は、血流がよくなり出血のリスクが上がるなるため、2週間はやめておきます。

 

長時間車の運転をしたり、自転車を乗ったりするのも、おしりに負担がかかるので控えましょう。

 

旅行や出張も万一、術後のトラブルがあったときにに当院で対応ができなくなるので、2週間やめておいた方が無難です。

■参考文献
(1)Shanmugam V, et al. Rubber band ligation versus excisional haemorrhoidectomy for haemorrhoids. Cochrane Database Syst Rev. 2005 Jul 20;2005(3)
(2)肛門疾患・直腸脱ガイドライン2020年版

肛門科・切らない痔の治療 よく頂くご質問

切らない痔の治療がなぜ重要なのでしょうか?

 お尻にメスを入れる外科手術を行うと、合併症として一定の確率で肛門の排泄にかかわる筋肉である肛門括約筋を傷つけることがあります。肛門括約筋は一度傷つけてしまうと再生できません。肛門括約筋を傷つけても他の筋肉がカバーしてくれて、すぐには日常生活に障害が出ないかもしれませんが、10年、20年経過したあとに、肛門を締める力が弱まって便失禁をおこすリスクがあります。そのため当院では、外科手術ではなく切らない痔の治療を採用しています。

ALTA療法(ジオン注射)は行っていますか?

 ALTA療法(ジオン注射)は注射を用いて、アルミニウムを痔の中に打つ治療法です。この方法では、厚生労働省が推奨する人体の安全基準量の1600倍もの量を痔の中に注入する治療です。実は、このジオン注射は日本や中国では行われていますが、欧米では認可されていない治療法なのです。重金属であるアルミニウムを高容量で用いるとヒトの脳に障害を与える危険性が指摘されており、この理由で当院はジオン注射を採用しておりません。