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胃カメラで【食道がん・胃がん】の見落としの確率は?

突然ですがあなたは、胃のバリウム検査や胃カメラを受けたことはありますか?
胃のバリウム検査では、要精査率が9.05%、陽性反応的中率が1.1%となっています(消化器がん検診学会全国集計より)。
陽性反応的中率とは胃のバリウム検査で異常があった人の中で、胃カメラ検査を受けて胃がんなど実際の病気があった確率です。
胃がん検診で見つかるがんの70%が早期がんで、早期胃がんの5年生存率は90%以上といわれています。
しかし、やはり気になるのが胃カメラの食道がんや胃がん、咽頭がんの見落としですよね。
麻酔を使って楽に胃カメラを受けられる時代になったとはいえ、少しでも見落としの確率を下げてほしいですよね。
胃カメラの見落としを下げる確率についての厳密なデータはありませんが、癌の発見率UPに大活躍しているNBI(エヌビーアイ)という秘密兵器をご存知でしょうか。
NBIとは、腫瘍に特殊な光をあてることで、がんの早期に発見しやすくしたり、診断しやすくするためのシステムです。
大阪の堺なかむら総合クリニックで採用している胃カメラ、大腸内視鏡検査は全てNBIを搭載しています。
このコラムでは、がんの早期発見の秘密兵器「NBI」について解説します。
それでは、どうぞ!
(この記事は日本消化器病学会・消化器病専門医の中村孝彦医師が執筆しています)

「『NBI』は『FBI』と似てるようですが、全然違います」

胃カメラで見落としの確率を下げる秘密兵器、NBIとは!


NBI(エヌビーアイ)とは、英語のNarrow Band Imagingの略で、日本語にすると「狭帯域光観察」になります。
NBIとは、胃カメラなどの内視鏡の先から出る光のシステムの一つです。
通常の観察は白色光という通常の光観察で行います。
白色光では見えにくい小さな病変をNBIという特殊な青い光で見えやすくします。 NBIは早期がんなどの見落としの確率を下げるために、開発された内視鏡システムです。
NBIでは最新の内視鏡機器でそれぞれ415nm、540nmという2つの短い波長の光を粘膜にあてます。
その短い波長の光によって粘膜の表面構造や毛細血管を強調して鮮明に写し出すことができるのです。
がんは自らを大きく増やしていくために、血管を新しく増やして栄養分を取り込もうとする特性があります。
がんが増大すると毛細血管が増えて粘膜表面がこみ入ったような模様に変わり周囲の通常粘膜と差が出てきます。
つまり、NBIを使うことにより早期がんが浮かび上がって見えてくるのです。
NBI により従来通常の観察で見落としされていたような、ごく早期の小さな咽頭がん・食道がん・胃がん・大腸がんも見つけられるようになり、見落としの確率を下げます。
さらに、大阪の堺なかむら総合クリニックでは経鼻内視鏡も導入しており、経口での内視鏡検査が苦痛な方でもより高い診断精度が得られます。

楽な内視鏡検査は
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胃カメラで食道がん・胃がんを見落とさないNBI!



これまで食道の早期がんである食道表在がんは、通常の白色光観察では、すこし赤みがある粘膜にみえるだけであり、 食道表在がんの発見は困難でした。
しかしNBIの登場により、小さな食道がんさらには咽頭がんが早期に診断できるようになりました。
実際、拡大内視鏡を用いて食道や咽頭における通常の白色光とNBIの診断能を比較した研究では、 食道と咽頭の両方の領域でNBIを使用することで診断精度が上がったと報告されています。
NBIは特に咽頭がんや食道がんの見落としの確率を下げるのに一役買っているのです。

胃カメラで胃がんを見落とさないNBI!



胃がんはピロリ菌感染を主とした萎縮性胃炎を背景として生じることが多いとされます。
胃炎に伴う萎縮性変化や再生変化が混在した多彩な胃粘膜に早期胃がんが紛れているため、時に見落としされてきました。
早期胃がんの発見は時に困難なものとなり、拡大内視鏡を使った胃がん診断は普及してきませんでした。しかし、近年ではNBIを使って胃粘膜の表面構造と血管像を明瞭に描出して強調した診断法が注目され広まってきています。
従来の胃粘膜の微小表面構造の変化に加え、微小血管構造の変化に注目した診断が高い診断精度であることが報告されています。これまで用いられてきた白色光に加えNBIや拡大内視鏡を用いることで、小さな癌も見落とさずに早期発見できる時代になってきました。

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大腸がんも見落とさないNBI!



大腸においてポリープ病変を認めた場合、内視鏡観察時にそれが粘膜下浸潤癌、粘膜内癌、腺腫、過形成ポリープのいずれなのかによって治療が変わるため、診断が重要になります。
つまり癌か癌でないかの区別、さらに癌の深さである深達度を診断する必要があります。
通常、粘膜下浸潤癌であれば外科的手術、粘膜内癌や腺腫であれば内視鏡的切除、過形成ポリープであれば経過観察が可能であると考えられています。
このポリープ病変を区別して診断するのに、NBIと拡大内視鏡を用いた観察が重要になってきます。
NBIを用いてポリープ表面の血管構造、粘膜構造を観察することで診断が可能になります。
NBIを用いた分類には複数ありますが、日本ではJNET分類という分類がもっとも普及しています。
従来は色素を用いることで診断してきましたが、より簡便に行えるNBI診断がさらに普及すると考えられます。

 

胃カメラの見落としの確率【 まとめ 】


いかがでしたでしょうか。今回のコラムではNBIについてご紹介しました。
NBIのことを初めて聞いた方にとっても参考になれば幸いです。
このコラムが明日からのご自身のご健康にお役立て頂けることを願っています。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、当日予約・当日胃カメラ検査ができる「クイック内視鏡」を行っています。
胃がんが気になる方は、お気軽にご相談ください。

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「堺なかむら総合クリニックのカメラにはNBIが全て搭載されています」