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【大腸内視鏡検査が痛い人の特徴とは?】激痛で中止は下手な医師?

健康診断の便潜血検査などで引っかかって大腸内視鏡検査を受ける必要があるけど、「大腸内視鏡検査は痛い」と聞いたことがある方は不安ですよね。
また、一度、大腸カメラで激痛で中止した経験をした方は、「なぜあんな激痛があったのか」「大腸内視鏡検査が下手な医師だったのか」と感じると思います。
腸の形には個人差があり、検査をする医師の技術も様々なため、大腸内視鏡検査の激痛で検査が中止になったという話も聞いたことがあります。
今回のブログは、大腸内視鏡検査が痛い理由・大腸カメラが痛い人の特徴、そして大阪の堺なかむら総合クリニックで行っている「痛くない大腸内視鏡検査」の取り組みについて解説したいと思います!

それでは、早速どうぞ!
(このブログは消化器病専門医の中村孝彦医師が執筆しています)

大腸内視鏡検査が痛い人の特徴とは?


大腸は小腸から続く約2mの消化管です。
大腸はいくつかに区分され、始まりの盲腸、盲腸から上方に向かう上行結腸、次に横に向かう横行結腸、下方に向かう下行結腸、S字状に曲がるS状結腸、下方にまっすぐ伸びる直腸の6つに大きく区分されます。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で痛む原因の大部分は、このうちS状結腸と横行結腸で起こっています。
痛みが出る理由として、S状結腸と横行結腸がお腹の中で固定されていないことに起因しています。
S状結腸と横行結腸は固定されていない臓器のため、くねくねと曲がり場所や形が常に変化している状態です。
そのため、大腸カメラをそのまま進めると不要な圧が腸管にかかって痛みが出るのです。
くねくね曲がったホースに針金を通そうとすると抵抗があって進まないのと同じ原理です。
しかし、ホースの両端を持って真っ直ぐにすると針金は抵抗なく進みますよね。
つまり、腸管と内視鏡の抵抗による痛みが起きないようにするためには、くねくねに曲がった腸を直線化しながら内視鏡を進める必要があります。

大腸内視鏡検査が激痛で中止!検査医が下手だったの?


冒頭でお伝えしましたが、腸の形や癒着(ゆちゃく)、検査をする医師の挿入法との相性(決して下手な訳ではないと思います)によっては、大腸内視鏡検査が、あまりの激痛で中止になることも稀にあるようです。
幸い当院では、激痛で中止になることは今まででありませんでしたが、私が勤務医時代に、他の医師の例で目にしたことはあります。
実際、他のクリニックで行われた大腸内視鏡検査が激痛で中止になり、当院に紹介されることも少なくありません。
実際に検査中に痛みが出る理由とそのパターン、さらに当院、大阪の堺なかむら総合クリニックで行っている対応策をお伝えします。

・大腸カメラ中に痛みが出るパターン①空気が腸管を伸ばすとき
大腸カメラを奥に進めるため空気を入れながら進行方向を確認し検査を行います。
さらに観察のときは、大腸ポリープや大腸がんをしっかり見つけないといけないので、ある程度、腸を膨らませる必要があります。
そうすると、過剰な圧が腸管にかかる場合があり痛みがでます。
これは風船を過剰に膨らませるとパンパンになると思いますが、お腹の中の腸でも同じことが起こると膨らんで今にも破裂しそうな風船のようになり痛くなるのがイメージできると思います。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、観察のときには従来の空気ではなく、腸管に空気の50倍以上吸収されやすい二酸化炭素を用いることで、お腹の張りを圧倒的に軽減しています。
さらに、挿入のときには空気を一切使わずに水を使って進行方向を確認(水浸法:限られた施設しかできない技術)しています。

・大腸カメラ中に痛みが出るパターン②腸が曲がり角を通るとき

痩せている・体が小さい・便秘の人は、普通の人に比べて、お腹のなかで大腸が密に折りたたまれているため、連続する細かいS字カーブが多くなります。
さらに、細かく折りたたまれているため、S字カーブも急カーブになります。
この急カーブで無理やり大腸カメラを押すと腸に不要なテンションがかかり、その部分に痛みが生じるのです。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、強い曲がり角でも痛みなく通過できる特殊な内視鏡スコープを採用しています。
PQ-260-Iというスコープで、急カーブでも腸の曲がりにそって優しく通過できる「受動湾曲機能」をそなえた大腸カメラです。
また通常、大腸カメラは直径13-14mmの太さですが、PQ-260-Iは直径9.2mmと胃カメラより細いスコープになります。
一般に、大腸カメラは細ければ細いほど、柔らかく、たわみやすいので、くねくねの腸の方にはぴったりな大腸カメラです。
実際に大阪の堺なかむら総合クリニックでは、BMIが20以下の人にはルーチンでこの超細径大腸内視鏡PQ-260-Iを用いて検査を行っています。

・大腸カメラ中に痛みが出るパターン③腸の神経が過敏になるとき
過敏性腸症候群や、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんに認めることがありますが、腸の神経が過敏になっており痛みを感じやすくなっています。
あるいは、大腸内視鏡検査に対して強い不安があったりすると痛みに対して過敏になります。
過敏になると腸が痙攣をおこして、内視鏡が入りにくくなり、さらに痛くなるという悪循環になります。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、こういった患者さまに対しては、腸の痙攣をおさえるお薬を使用した上で、PQ-260-Iのような細くて腸に刺激の少ないスコープを使用します。

・大腸カメラ中に痛みが出るパターン④癒着している部分に力がかかるとき

帝王切開、胃手術などお腹を開ける手術をしていると、大腸の一部が周りの組織とくっつき(癒着とよびます)腸が変形することがあります。
こういったケースで内視鏡をまっすぐ進めようと思っても、癒着している部分でスコープが曲がってしまい、その部分で本来は生じない力が加わって痛みになります。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、こういった患者さまに対しては、無理にスコープをまっすぐ進めようとはせずに、右側臥位などの体位変換を併用してPQ-260-Iのようなやわらかいスコープを使用します。

 

大腸内視鏡検査が痛い人の特徴は?


大腸内視鏡検査が痛い人の特徴としては、2.であげたようにお腹の手術をしたことがある方も関係ありますが、一番は「やせ型」の人です。
では、なぜやせ型の人が痛みが出やすくなるのでしょうか。
やせ型の人は、骨盤が狭く腸が細かく折りたたまれているのでカーブが多いのが一つの理由です。
さらに、やせ型の人はお腹の中の脂肪が少ないため、腸のクッションが少ないのも痛みが出やすい理由です。
BMI(Body Mass Index)はボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。
このBMI=(体重kg)÷(身長m)^2で計算できますが、特にBMIが18を下回るようなやせ型のタイプの方は、痛みが出やすい可能性があり、要注意です。

堺なかむら総合クリニックで無痛大腸カメラが可能な理由とは?


上記のような痛みが出る原因に対し、当院では痛みを最小限にするため万全の対策をしております。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、以下のような4つの工夫により、大腸内視鏡検査が激痛で中止になった人、癒着のある女性の方でも痛みのない検査を行うことができています。

①胃カメラより細い直径9.2mmの超細径大腸内視鏡を採用(通常の大腸カメラは13mm程度)
帝王切開や腹部の手術をされ 腸に癒着があるかたや痩せている・体が小さい・便秘の人など様々なタイプの方に合わせられるように複数のスコープを使い分けています。

②腸の屈曲に沿って先進する受動湾曲機能を有した大腸内視鏡を採用
腸の形・腸の曲がりに沿うように自然に内視鏡が曲がるようなシステムであるオリンパス社の受動湾曲機能を搭載したスコープを採用しています。

③空気の代わりに水を使うことで、腸を膨らませずに痛みなく大腸カメラを挿入できる水浸法を採用
大腸内視鏡検査でスコープを奥まで入れるとき、一般的には空気で腸管を膨らませスコープを進めますが、腸が空気で無理に伸ばされるため痛みが生じやすくなります。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、空気を入れずかわりに水を注入しながら内視鏡を滑らせるように進めることで、痛みをほとんど感じることなく検査をおこなうことができます。

④鎮静剤(麻酔薬)と鎮痛剤(痛み止め)を適切に使用
堺なかむら総合クリニックでは、5000例以上の豊富な内視鏡経験を持つ医師が、少量の鎮静剤(麻酔薬)と鎮痛薬(痛み止め)を組み合わせて使用し、楽に内視鏡検査を受けて頂いております。
過去5000例で、入院を要するような鎮静剤関連の合併症が発生したことは一度もありません。
緊張をやわらげる作用もあるので、どんな方でも安全で快適に内視鏡検査を受診できます。

大腸ポリープ切除後に痛みが出ることはある?


「大腸ポリープをとるのは痛いですか」と聞かれることがよくありますが、心配ありません。
胃や大腸の粘膜には知覚神経がないので、内視鏡でポリープを切除する際に痛みはありません。
ただし、比較的大きな病変の大腸ポリープ切除後などは、切除の際に腸の壁に熱が伝わり、切除後に痛むことも稀にあります。
また、非常にまれですが、切除後に腸に伝わった熱により穿孔といって穴が空くこともあり、その場合は強い痛みがあります。
切除後に強い痛みがある場合は、すぐに処置した医療機関に相談するのがよいでしょう。

まとめ


このコラムでは、大腸内視鏡検査の痛みについて詳しくお話しました。
大腸がんは女性のがん死亡の1位、男性のがん死亡の3位と重要な病気にも関わらず、大腸内視鏡検査が快適に受けられないことで大腸検査の受診を控えるようなことがあっては悲しいと思っています。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、当院では超細径の大腸カメラによる痛くない大腸内視鏡検査を行っています。
今までに大腸内視鏡検査が激痛で中止になった人も、大阪の堺なかむら総合クリニックまで是非、ご相談ください。

堺なかむら総合クリニック
の大腸検査

当院では下剤を飲まずに大腸カメラを受けられる「下剤を飲まない大腸内視鏡検査」も行っています。
興味のある方はこちらをご覧ください。

下剤を飲まない大腸検査

「当院では、楽な内視鏡検査を行うことに日々心血を注いでいます」

堺なかむら総合クリニック
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