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【おしりの近くのできものの画像10選!】ぶよぶよの治し方は?

「おしりにぶよぶよのできもの」があるのに気づいた方へ。
そのしこりは、痛いでしょうか痛くないでしょうか。かゆいでしょうか。膿はでているでしょうか。
また、恥ずかしさもあって何科に行ったらいいのかも良くわからないですよね。
実は、おしりのできものは、そのできる部位や形、症状によって病気の見当をつけることができます。
今回は、「おしりの近くのできもの」の中から頻度の高い10個の病気の画像を紹介しながら、「おしりのできもの」の正体と治し方、似ている病気との見分け方を詳しく解説します。
それでは早速どうぞ!
(本稿は消化器病専門医の中村孝彦医師・中村玲佳医師が執筆しています。)

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「おしりのできものの画像をどこよりも詳しく解説します!」


おしりのぶよぶよのできものの正体は①肛門皮垂?


<肛門皮垂>
おしりのぶよぶよのできものの正体は、ずばり、「肛門皮垂(こうもん-ひすい)」の可能性が高いです。
肛門皮垂(こうもん-ひすい)は別名スキンタグとも呼ばれ、おしりの周囲の皮膚のたるみのことです。
肛門皮垂は上の「おしりの近くのできもの」の画像のように、肛門の周囲にぶよぶよの突起があるような見た目です。
女性の場合、肛門と膣の間にできることも多いです。
便秘などによっていきみを繰り返すことや、女性の場合は出産などをきっかけに、おしりの周囲の皮膚がたるんでしまうことが原因です。
肛門皮垂はおしりの皮膚のたるみのため、基本的には痛くなく、出血することもありません。
しかし、肛門皮垂がある方は、肛門に突起物があるためお通じをした後におしりをきれいにするのが難しく不潔になる傾向にあります。不潔になると突起部に炎症が生じて、かゆみが生じます。
肛門皮垂の治療は、皮膚の突起を小さくするために炎症をおさえる坐薬や軟膏などの外用薬や、内服薬を使用します。
予防のための生活習慣としては、肛門部をとにかくきれいに保つことが大事です。
最近はウォシュレットが普及していますが、肛門皮垂の方は特にウォシュレットでしっかり洗った後に、トイレットペーパーでふいて、しっかり肛門部を乾燥させましょう。
お風呂でおしりを石けんで洗うときは、石けん成分が残るとかえってかゆくなるため、石けんで洗浄後は、しっかいり洗い流しましょう。

おしりの近くのできものの画像②肛門(こうもん)ポリープ


<肛門ポリープ>
週単位、年単位で排便時に肛門が出っ張ってきたり、膨らんできたりするなら、肛門ポリープ(こうもんポリープ)の可能性があります。
出っ張ってくるできものは指で簡単に押し戻すことができます。毎日出てくるとは限らず、何日も出ないこともあります。
肛門ポリープは、肛門の内側の歯状線という場所から出てくるできもので、便秘や下痢などの刺激に繰り返しおきることで発症します。
いぼ痔やきれ痔などが原因で発症することもあります。
肛門ポリープは良性のポリープで、大腸ポリープと違って癌化することはありません。
しかし、肛門ポリープと思いこんでいて、肛門がんや大腸ポリープだったケースもあるので思い込みは禁物です。
肛門ポリープは薬では治らないので、局所麻酔下での外科的な切除(日帰り手術)が必要となります。

おしりの近くのできものの画像③内痔核(いぼ痔)


<内痔核(脱肛)>
肛門ポリープと同様に排便時に肛門が出っ張ってくるケースで比較的柔らかい、いぼ状のできものを触れた場合は脱肛(だっこう)の可能性があります。
脱肛とは、大きくなったいぼ痔(内痔核)が外に出た状態のことを言います。
いぼ痔は、出血することがあり「おしりを拭いたらトイレットペーパーに血がつく」などの症状で初めに気づくことも多いです。
通常、いぼ痔に痛みはありません。いぼ痔の正体は静脈瘤という血管のこぶです。
排便するときの力みが原因になって静脈が広がり、静脈のこぶが形成されるという機序が考えられています。
いぼ痔は、はじめ肛門の内側から発生しますが、進行するとだんだんと肛門外に脱出するようになります。
また、脱出したいぼ痔の粘膜から粘液が分泌されて、それが原因になって肛門周囲の皮膚に湿疹ができてかゆみを伴うこともあります。
内痔核の治療としては、初期の軽症の状態に対しては抗炎症・止血・鎮痛作用のある坐薬、塗り薬、内服薬を用います。
便を柔らかくする効果や炎症を抑える効果のある内服薬も併用します。
排便で外に出たできものが自然に戻らないような状態になると、外科的治療の対象となります。
外科的治療の一つである輪ゴム結紮療法は特殊な器具を用いて、いぼ痔に輪ゴムをかけてしばり約一週間ほどで痔脱落させます。
非常に安全でほとんど副作用がない治療のため、当院では主に外科的治療としてこの方法を用いています。

おしりの近くのできものの画像④尖圭コンジローマ


<尖圭(せんけい)コンジローマ>
尖圭コンジローマとは、写真のように、おしりのまわりに、いぼのような先が尖ったぶつぶつができる病気です。
「とさかのような」「カリフラワーのような」と表現されることもあります。
尖圭コンジローマは、自覚症状のない方もおられますが、かゆみや違和感を感じる方もいます。
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスというウイルスによる感染によって生じる感染症です。
性行為や接触などにより、ウイルスに感染し、平均3か月ほどで尖圭コンジローマが生じます。
治療としては、まずイミキモドという塗り薬を用います。
イミキモドは、体の免疫を活性化させ、ウイルスの増殖を抑える作用があるお薬です。
薬物療法で効果のない場合は、外科的治療として液体窒素による凍結療法等での切除を行います。
予防としては、コンドームなどを用いて性感染症を予防する方法と、ヒトパピローマウイルスのワクチン接種による方法があります。 

おしりの近くのできものの画像⑤血栓性外痔核


これまで紹介してきた、病気が週単位~年単位といった、ゆっくりとした経過で発症するのに比べて、血栓性外痔核は急性発症するのが特徴です。
朝起きたときや、お腹に力を入れたときに突然、強い痛みを感じることが多いです。
エンドウ豆くらいの大きさの硬いしこりで「血まめ」とも呼ばれます。表面には血栓がすけて青黒く見えるのが特徴です。
血栓性外痔核は、肛門のまわりの静脈の流れが悪くなって血栓(血まめ)がたまって腫れた状態のため、表面が破けると出血することもあります。
血栓性外痔核はほとんど薬物療法で治療できます。しこりがなくなるには約1ヶ月と少し時間がかかりますが、自然に良くなることもあります。 

おしりの近くのできものの画像⑥肛門周囲膿瘍


<肛門周囲膿瘍(のうよう)>
肛門周囲膿瘍(のうよう)も急性発症で生じます。
2-3日前からおしりに違和感や痛みがあって、だんだんとおしりが腫れてずきんずきんと激しい痛みがあります。
腫れに触れると痛みがさらに増強し、38度以上の発熱を伴うこともあります。
見た目は写真の通り、できものの腫れの境目がはっきりせずにぼんやりした状態です。
できものの出っ張りは通常、中に押し込むことができません。
できものの部分のかゆみや、できものからの分泌物の臭い、膿(うみ)などを初期症状として感じることもあります。
下痢便の方や、大量飲酒や体が弱っているときに起こりやすいとされます。
肛門周囲膿瘍は放置して悪化すると痔ろうという膿のトンネルをつくり、なかなか治らないようになってしまいます。
肛門周囲膿瘍は細菌感染が原因ですが、内服の抗生剤は深い膿には届かないので外科的な治療、切開・排膿が必要です。
基本的には、局所麻酔薬で日帰り手術で切開排膿を行います。 

おしり近くのできものの画像⑦肛門部粉瘤


<肛門部粉瘤>
粉瘤はアテロームとも呼ばれますが、袋状の組織が皮膚の下にでき、そこに垢や皮脂といった老廃物がたまった良性の腫瘍です。
これが肛門にできたものを肛門部粉瘤といいます。
はじめはあまり目立たず、小さなしこりのような状態ですが、だんだん大きくなって、独特の臭いを生じるようになったり、細菌感染などにより炎症を起こすことがあります。
よくニキビと勘違いされることがありますが、アテロームはニキビと異なり自然治癒することはありません。
ニキビは毛穴が詰まったものですが、粉瘤は袋状になった組織ごと完全に取り除かない限り治癒しないので日帰り手術が必要になります。 

おしり近くのできものの画像⑧直腸脱


<直腸脱>
直腸脱は直腸の粘膜が肛門の外に脱出する病気です。
初めは便がすっきり出なかったり、気が付かないうちに下着が汚れたりするなどの症状から始まり、徐々に直腸が外に脱出します。
写真のようにかなり脱出していても痛みはないことが多く、粘液を排出するのが特徴です。
直腸脱は多くの場合で手術が必要になります。 

おしり近くのできものの画像⑨肛門部Paget病


<肛門部Paget病>
肛門部にできるPaget病です。Paget病はPaget細胞という異型細胞が増殖する悪性腫瘍です。
症状は、肛門部のかゆみや痛み、出血などです。
写真の通り、比較的明瞭な境界の赤みのある不整形の病変として発症し、進行するとびらんやしこりを生じます。
悪性腫瘍なので徐々に増大します。悪性腫瘍なので治療は手術になります。 

おしり近くのできものの画像⑩肛門管癌


<肛門管癌>
直腸と肛門をつなぐ管のことを肛門管とよびます。
この肛門管にできる悪性腫瘍のことを肛門管癌とよびます。
症状は、肛門部からの出血や痛み、肛門狭窄(便が細い、便が出にくい)などです。
触ったときに硬く、出血しやすい腫瘍であることも見分けるポイントです。
手術のほか、放射線治療が行われることもあります。

「おしりのできもの」の治療は女性医師の肛門科外来へ!

いかがでしたでしょうか。

今回のブログでは「おしりのできもの」について詳しくご紹介しました。
おしりのできものは、あるのが分かっていても「恥ずかしい」という気持ちで、がまんして受診を控えたり、市販薬でごまかしてしまう方が多いと思います。
「おしりのできもの」「おしりのトラブル」は肛門科を受診することになります。
肛門科ときくと、受診のハードルが高くなったり負担を感じる方もいるかもしれませんが、心配いりません。
肛門科では服を脱いだり、恥ずかしさを感じるような体勢はとりません。
診察の際どのような格好になるのか、若い女性の方はとくに不安かもしれませんが、診察は、診察台に横向きに寝ていただいて行います。
特に女性の患者さまは、それでも不安を感じられるかもしれませんが、大阪の堺なかむら総合クリニックでは、ご希望の方には女性医師が診察を担当させて頂きますのでご安心ください。
恥ずかしさだけでなく、おしりの診察の時の痛みが心配という方も多くいらっしゃると思います。
大阪の【堺なかむら総合クリニック】では、ご希望の方には鎮静剤を用いて痛みなく眠ったまま日帰り手術を受けて頂けるので、痛みが気になる方もお任せください。

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