【大腸内視鏡検査は麻酔なしでも大丈夫?】医師ブログ
2022.08.08
車を運転するなどの理由で大腸内視鏡検査を麻酔なしで受診予定の方へ。
大腸内視鏡検査って麻酔なしでも大丈夫か不安な方も多いかと思います。
大腸内視鏡検査で麻酔なしでも痛くない方法があるのをご存知でしょうか。
今回のブログは、大阪の堺なかむら総合クリニックで採用している麻酔なしでも痛くない大腸内視鏡検査の挿入法「水浸法(すいしんほう)」について紹介します。
大腸内視鏡検査は検査の時にくねくねした腸の通り道をおしりの方から逆行して検査していきます。
大腸内視鏡検査の挿入法って意外に奥が深くて、挿入法もいくつか種類があるのはご存知でしょうか。
今回のコラムでは、患者さんにやさしい新しい大腸カメラの痛くない挿入法である「水浸法」について、わかりやすく説明したいと思います。
それでは、どうぞ!
(この記事は日本消化器病学会・消化器病専門医の中村孝彦医師が執筆しています)
「水浸法(すいしんほう)は、水で満たした腸の中を内視鏡検査がスイスイ泳いでいくような挿入法なのです。」
大腸内視鏡検査で麻酔なしでも大丈夫な「水浸法」
「水浸法(すいしんほう)」というのは聞きなれない言葉ですよね。
ほとんどの方が初めて聞いた言葉だと思います。
水浸法は、一言でいうと腸に空気のかわりに水を入れて検査する検査法です。
この方法にどういうメリットがあるのでしょうか。
人の体の中では大腸は折りたたまれた状態になっています。
従来の大腸カメラは、この折りたたまれた腸を引きのばすように空気を入れながら視野を確保して挿入していました。
つまり、腸は空気でパンパンな状態であり、常に患者さんはお腹が張って苦しい状態でした。
この苦しい状態にさらに内視鏡を入れることを考えると、それだけでもかなりしんどい検査であろうことは想像に難くないと思います。
「大腸検査はとにかくしんどい」というイメージは下剤内服もそうですが、この従来の空気で腸をふくらませながら挿入する検査法にも原因がありました。
ほとんどの方が初めて聞いた言葉だと思います。
水浸法は、一言でいうと腸に空気のかわりに水を入れて検査する検査法です。
この方法にどういうメリットがあるのでしょうか。
人の体の中では大腸は折りたたまれた状態になっています。
従来の大腸カメラは、この折りたたまれた腸を引きのばすように空気を入れながら視野を確保して挿入していました。
つまり、腸は空気でパンパンな状態であり、常に患者さんはお腹が張って苦しい状態でした。
この苦しい状態にさらに内視鏡を入れることを考えると、それだけでもかなりしんどい検査であろうことは想像に難くないと思います。
「大腸検査はとにかくしんどい」というイメージは下剤内服もそうですが、この従来の空気で腸をふくらませながら挿入する検査法にも原因がありました。
水浸法は大腸内視鏡検査後にお腹が張らずに痛くない
水浸法では空気のかわりに水を入れることで、腸をふくらませずに挿入することが可能になるのです。
つまり水浸法と従来の空気法の一番の違いは腸管のふくらみ具合となります。
腸管が膨らんでいない状態だと、当然お腹は張らずに痛くありません。
さらに、腸を刺激しないため腸管の運動を引き起こしにくく、下痢のときのようなあの腸がぐるぐる動く痛みも起きにくいのです。
また、腸に水をいれることで、くねくね曲がっておりたたまれている腸の屈曲が、ゆるやかになるという効果もあります。
腸の曲がり角の角度がきついと、カメラが通るときに痛みを生じやすいですが、腸のまがりがゆるやかだとカメラが抵抗なく曲がり角を通過でき、ほとんど痛みを感じません。
つまり水浸法と従来の空気法の一番の違いは腸管のふくらみ具合となります。
腸管が膨らんでいない状態だと、当然お腹は張らずに痛くありません。
さらに、腸を刺激しないため腸管の運動を引き起こしにくく、下痢のときのようなあの腸がぐるぐる動く痛みも起きにくいのです。
また、腸に水をいれることで、くねくね曲がっておりたたまれている腸の屈曲が、ゆるやかになるという効果もあります。
腸の曲がり角の角度がきついと、カメラが通るときに痛みを生じやすいですが、腸のまがりがゆるやかだとカメラが抵抗なく曲がり角を通過でき、ほとんど痛みを感じません。
水浸法は大腸内視鏡の検査時間が短い
水浸法は腸にきれいな水を入れながらの検査になるため視界がきれいになり、従来の空気を入れて検査する空気法と比べて検査時間が速くなるのが利点です。
入れる水の量は患者さん1人あたり100-200mL程度と少量であり体への負担も全くありません。
むしろ水浸法では患者さんの苦痛が少なく負担も軽いため、麻酔(鎮静剤)を使う場合でも麻酔(鎮静剤)を使う量が少なくてすみ、検査後もすぐに麻酔状態から回復します。
水浸法は便がきれいじゃなくても検査可能!
大腸カメラの検査をするには通常、2L程度の腸管洗浄液という下剤を飲んで腸をきれいにしてから検査をする必要があります。
しかし、この2Lの大量の下剤を飲めない方がいて、腸が十分にきれいにならない人がいます。
当院では「下剤を飲まない胃・大腸カメラ」という、胃カメラの先端から腸管洗浄剤を投与することで2Lの下剤を飲まなくても大腸カメラを受けられるようにしてこの問題を解決していますが、一般的にはまだまだこの方法は普及していません。
従来の空気法は、腸がきれいにならないと検査を開始できないので、患者さんに無理にでも下剤を飲み続けてもらうという非常に患者さんにとって辛いものでした。
また検査を始めても、腸がきれいでなければ、腸の観察が不十分になり検査としては精度が落ちてしまいます。
水浸法は腸がきれいでない時は、腸液を吸った後にきれいな水を入れることができるので、多少腸がきれいでなくても検査ができます。
腸が完全にきれいにならなくても大きな問題なく検査できることで、頑固な便秘の方でも患者さんに負担をかけることなく検査することができるようになっています。
しかし、この2Lの大量の下剤を飲めない方がいて、腸が十分にきれいにならない人がいます。
当院では「下剤を飲まない胃・大腸カメラ」という、胃カメラの先端から腸管洗浄剤を投与することで2Lの下剤を飲まなくても大腸カメラを受けられるようにしてこの問題を解決していますが、一般的にはまだまだこの方法は普及していません。
従来の空気法は、腸がきれいにならないと検査を開始できないので、患者さんに無理にでも下剤を飲み続けてもらうという非常に患者さんにとって辛いものでした。
また検査を始めても、腸がきれいでなければ、腸の観察が不十分になり検査としては精度が落ちてしまいます。
水浸法は腸がきれいでない時は、腸液を吸った後にきれいな水を入れることができるので、多少腸がきれいでなくても検査ができます。
腸が完全にきれいにならなくても大きな問題なく検査できることで、頑固な便秘の方でも患者さんに負担をかけることなく検査することができるようになっています。