家族が癌になったら絶対してはいけないこと
自分の親が癌、家族が癌になったら、あなたはどうしますか?
日本では、生涯に2人に1人はがんになる時代です。
あなたの親や家族に突然、癌が見つかるのも十分ありえる時代です。
今回、このテーマでお話をさせていただく上で、実際の体験に基づいたお話を掲載させていたほうがわかりやすいと思っていたところ、先日、1人の癌患者さんからお手紙をいただいたのを思い出しました。
その患者さんは、私が、がんを発見し治療させていただいた患者さんなのですが、今回の話を正直に相談させて頂いたところ、ありがたくブログ掲載の許可をいただきました。本当に感謝申し上げます。
前半は、親や家族が癌になったら絶対にしてはいけないこと、というテーマでお話し、後半は患者さんのお手紙をご紹介する形で大腸がんの体験談をお伝えしたいと思います。
それでは早速どうぞ!
(この記事は消化器病専門医の中村孝彦医師が執筆しています)
「親や家族が癌が見つかった時の心づもりをしておくことは悪くないことなのです!」
家族が癌になったら絶対してはいけないこと
人間は癌などの不幸なことを伝えられた場合、心理的な反応とその時間的な変化を示すことがわかっています。
著明な精神科医であるキューブラ・ロスは、これを以下の5段階の変化としてまとめています。
1.否認
2.怒り
3.取引
4.抑うつ
5.受容
具体的に見ていきます。
まず、癌などの悪い知らせをうけた初期の段階では「同年代で健康な人も一杯いるのに、どうして私が今、がんにならないといけないのか?」といった否認や怒りの感情が湧き起こります。
しばらくすると、「大好きなお酒をやめて、これから摂生するから、どうにかして癌が治ってほしい」という取引の感情に変化していきます。
そして、「癌になってしまったから、もうダメだ。どうとでもなれ」という抑うつの段階となります。
最終的には「がんになったことは仕方がない。そういう運命だったのだろう。
がんの治療は医師を信頼して任せ、自分の人生をしっかり生きていこう」という受容の心理となります。
もちろん、人によって生まれ育った環境は違い十人十色のため、全員が全員こういった過程を経るわけではありませんが、一つの典型例としてお考えください。
この癌などの告知を受けて、1の否認の段階から5の受容の段階に至るのは、早くても2週間ほどかかると言われています。
重要なことは、告知後には、どんなに精神的にタフな人でも、2週間程度はこういった段階を経るための時間が必要だということを理解することです。
間違ってもこの2週間には退職などの人生の重大な決断を絶対にしてはいけません。
また、なんとか癌というつらい現実から逃避したいという気持ちから、科学的根拠のない民間療法に走ってしまうのも危険です。絶対にやめましょう。
サポートする家族にも注意が必要です。
癌になってしまった家族にとって必要なのは、寄り添う姿勢、寄り添う心であり、アドバイスではありません。
例えば親が癌になってしまったケースだと、よくあるのは、心配するあまり、子の方が判断を急かしたり、語気を強めてしまうことです。
「治療がうまくいくかどうかは、やってみないとわからないでしょ!」
「リスクばっかり気にしてたら、何もできないじゃない」
「先生が、痛みは我慢するしかないって言ったでしょ」
親子関係だからこそ、遠慮のない突き放した言い方を、つい、してしまう方もおられます。
「寄り添う」とは、 ただ、じっくりと話を聴くことです。
医療の世界では「傾聴(けいちょう)」といいますが、相手の気持ちを尊重し、共感することが大切です。
傾聴は、医療・福祉の勉強をするときに、1番はじめに習う、最も重要な姿勢です。
この段階ではアドバイスは毒にはなっても薬にはなりません。
癌は、原則、半年〜年単位くらいで進行していく病気で、数日〜週単位では、あまり変化しません。
そのため、感情の振れ幅が大きく、誰もが正常な判断ができなくなる魔の2週間には重大な決定はせず、あまり焦らずに落ち着いて、これからすべきことをリストアップしたり、治療に取り組んでいきましょう。
家族や親が癌になったらすべきこと
親が癌になったら、家族が癌になった時にしてはいけないことについてお伝えしましたが、では逆にどういったことをすべきなのでしょうか。
家族や親が癌になったらすべきことは、①病気の情報収集を行う、②生活のことを考える、の大きく2つになります。
まず①ですが、基本的には担当の主治医の先生に病状をよく聞いて、御自身や家族の希望があれば、それをきちんと医師に伝えることです。
医師に伝えづらい場合は、看護師などの医療従事者に相談してみてもよいでしょう。
クリニックや病院では、緊張状態でいることが多く、医師がきちんと説明していても、頭にあまり話が入ってきていなかったりすることもあるので、治療方針の決定などに関わる大事な話のときには、複数人で同席して話を聞くことも大切です。
医師の話だけでは十分に理解ができなかったときは、インターネットや書籍で情報収集することも選択肢の一つです。
ただ、注意しないといけないのは、情報源が信頼に足るものかどうかをきちんと見極め、人間は自分にとって都合の良い情報を探しに行く傾向があることを理解しておくことです。
例えば、癌になって、なんとか回避したいという気持ちから、「癌 手術せずに治る」などと検索して、怪しげな民間療法などの情報ばかりを収集するということは容易におこりえます。
これは、ある意味、誰でも情報発信できるネット時代だからの怖さですが、きちんと認識しておく必要があります。
親や家族の癌などの病気のことがある程度、理解できたら、次に考えなければいけないのは今後の生活のことです。
親や家族が、仕事や家庭内で担っていた役割に制限がかかるわけですから、考えていかないといけません。
現役で働いている場合は、担当の先生から治療方針の説明があってから、勤め先にスケジュールなども含めて上司や人事部と相談するのがよいです。
具体的には、どれくらい勤め先を休む必要があるのか、と身体に制限がかかる場合(例えば肉体労働ができない、夜勤ができないなと)はそれを伝え業務内容の変更を相談したりといった相談内容になります。
治療状況によって、治療期間の延長などが起こることはよくあることなので、勤め先を休む場合は少し余裕をもって休み、休職期間が延長になる可能性もあらかじめ伝えておいた方がよいでしょう。
また、病気のことを家族や親類、あるいは親しい友人等にどこまで伝えるかで悩む方もおられるかと思います。
結論からいうと、ありのまま全てお伝えすることをお勧めします。
心配や迷惑をかけたくないという思いから、病気のことを隠す、あるいは伝えるのを先延ばしにする方を、私も医師として数多くみてきましたら、結果的にそれでコミュニケーションが上手くいかなかったり、最悪、トラブルになることの方が多い印象があります。
もちろん病状を伝える必要がない人には無理をして伝える必要はないのですが、自分をサポートしてくれる人にはありのまま伝えた方が率直な関係、信頼関係を築けるものですし、隠していても案外、周囲は違和感や変化に気付くものです。
本人は隠しているつもりでも、間接的に知ることになると、「自分には打ち明けてもらえなかった」と相手は悲しい気持ちになるだけで、信頼関係をいたずらに損ねてしまうだけなのです。
【癌の家族歴】親が癌になったら遺伝する?
自分の親が癌になったら気になるのはそれが遺伝するかどうかですよね。
結論から言うと、自分の親や兄弟に癌あったら、間接的にせよ直接的にせよ遺伝する可能性が高いといえます。
例えば大腸癌の場合、家族性大腸選手性やリンチ症候群といった遺伝性の病気が背景にあることがあり、その場合はほとんど100%の確率で遺伝そ、子供にもほぼ確実に癌やポリープができてしまいます。
またこういった確実に遺伝する病気が背景になかったとしても、親や家族に顔がある人はそうでない人よりもガンになる確率が1.5倍から2倍高いと言うことがわかっています。
こういった確実に遺伝する病気かそうでない病気かと言うのは、遺伝子検査をすればわかりますので、気になる方は調べてみてください。
いずれにしても、親や家族に癌の方がいると、直接的にせよ間接的にせよ影響を強く受けるので、定期的にしっかり検査を受ける必要があります。
大腸がんの体験記|初めての大腸検査で見つかった父の大腸がん
(※以下、患者様の許可を得てお手紙の内容を一部改変して、山田さん(仮名)という形で掲載させていただいております)
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先日は父の治療をして頂きありがとうございました。
私の父は頑固なところがあって、今年61歳になるのですが、1度も胃カメラや大腸がん検査を受けたことがありませんでした。
私自身は毎年検診を受けているタイプなのですが、両親にも検診を受けてほしいと思って父母に勧めました。
両親ともに元々病院嫌いなのに加えて、友人から大腸内視鏡検査の下剤がしんどかったという話を聞いて乗り気ではありませんでした。
しかし、私があまりにもしつこく誘ったので、まず母が今年は受けてくれることになりました。
父も、母が受けるならと言うことで今年、検査を受けてくれることになりました。
今回、ようやく検査を受けてくれるようになったのには理由があります。
大腸検査では、通常、2Lもの下剤を飲まないといけないのですが、大阪の堺なかむら総合クリニックさんでは、下剤を胃カメラから注入することで口から大量の下剤をのまなくてすむ「下剤を飲まない大腸内視鏡検査」をしているということをインターネットで知りました。
今回それを父母に伝えたところ、それなら楽に検査を受けれそうということで検査を受けてくれることになりました。
早速、インターネットで受診予約をして、クリニックには私が車を運転して両親を連れて行きました。
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初回の外来では、女性の先生が診察を担当してくれました。
先生は話を良く聞いてくれました。説明はわかりやすくて、検査の種類もいろいろ教えてくれました。
両親には大腸内視鏡検査のときの2リットルの大量の下剤が検査のハードルになっていたのはわかっていたので、私は当初決めていた通り、迷わず「下剤を飲まない大腸内視鏡検査」を選びました。
女性の先生の検査の説明の後、前日に飲むお薬や、当日の検査の流れを丁寧に教えてくださりました。
先生の説明の後、看護師さんの方から具体的なお薬の説明や、食事の注意点等の説明がありました。
まず、前日の食事は19時までで、食事は消化の良い白いものが良いと言われました。
白いものとは、うどんや、白米、白身魚、豆腐、大根などのことで、覚えやすいのでそう説明しているのことでした。
前日に飲むお薬は、センノシドと言うお薬で腸を刺激することで、溜まったお通じを出やすくする効果があるようです。
次に、当日の検査の流れの説明がありました。会計が終わった後に、処方してもらったお薬を受け取り、その日は帰宅しました。
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検査日は、言われた通り前日にセンノシドを飲み、当日は朝ごはんを抜いて朝の7時半くらいに2種類のお薬を飲みました。
モサプリドというお薬と、プリンペランというお薬で、2種類とも腸の動きを活発にするお薬だと言うことです。
2人とも特に変化を自覚しなかったと言っていましたが、お腹の中では腸が動き出しているのでしょうか。
当日の朝は特に水分制限などはなかったです。むしろ積極的に水分をとっても良いようでした。
検査当日も、私が車を運転し、検査を受ける、堺なかむら総合クリニックに着いたのは9時前でした。
受付をした後、奥のスペースに通されそこで看護師さんに点滴をとってもらいました。
慣れていらっしゃるのか、とてもスムーズに点滴をとっていただきました。
それから10分ほど待機していると、「胃カメラの準備ができましたのでこちらへどうぞ」と声があり、検査室に案内されました。
胃カメラの検査は背の高い男性の先生が担当してくださいました。
私の両親は、少し怖がりなどところもあるので、父母ともに麻酔(鎮静剤)を使った胃カメラをすることにしました。
まず横になってくださいねと言われ横になったら、鼻に麻酔のチューブを通されました。
麻酔の影響なのか少し鼻がツンとしたみたいでしたが、特に気にはなりなかったようです。
その後、麻酔が入っていきますねと言う声は聞こえたみたいですが、その後の記憶は全くなかったようです。
次に覚えているのは「お疲れ様でした、胃カメラが終りましたよ」と言う声だと言っていました。
正直、こんなに全く検査のことがわからないものなのかと、特に父はびっくりしていました。
検査後、看護師さんに支えられながら、ソファーのあるスペースに案内されました。
胃カメラの検査中に、お腹に下剤が入ってますよと看護師さんに言われたのですが、よくわからなかったようです。
そう言われてみれば少しお腹が膨れたような感じがする、と母はいっていました。食べ過ぎてお腹がいっぱいになった後のような感じだったそうです。
水を飲んでくださいね、と看護師さんから500mlのペットボトルのお水を渡されました。
30分ほどソファーでゆっくりしていたのですが、特に変化がないなぁと思っていた矢先、頻繁にトイレに行くようになりました。
一度、催してからは10分おきくらいに立て続けにトイレに行っており、合計6回ほどトイレに行っていました。
後で聞いたのですが、通常の口から2リットルの下剤を飲む方法だと、10回ぐらいトイレに行かなきゃならないらしいです。
6回でも結構多いなぁと思っていたのですが、普通はもっと多いのですね。
何回かトイレに行った後、看護師さんから、お通じの状態がきれいになったら教えてください、と言われました。
お通じの状態を見てみると、確かに初めの2回くらいは茶色の便の塊のような感じだったのですが、3~4回目くらいから粒状になり最後は完全に水のような排泄液が出るだけでした。
水のようになったら、看護師さんに状態を見てもらって「これならオッケーですね」と言われました。
お通じがオーケーになって、15分ぐらいソファーで待っていたらまず母が、その後、父が大腸検査の検査室に呼ばれました。
ちなみに、大腸内視鏡検査が始まるまでは普通の私服(伸び縮みできるような動きやすい服装が良いみたいです)で待機しているのですが、大腸検査が始まる直前に、検査着に着替えます。
どんな検査着だろうと若干不安に思っていたのですが、ブルーの使い捨ての短パンのようなものにお尻の部分にスリットが入っているような形の検査着でした。
丈も膝上くらいまであるので検査パンツが隠れており、母も特に気にならずに安心して検査を受けることができたと言っていました。
心配だったので、私も一緒に検査室に入って見たいです、と先生に言うと、先生は少し驚いたような顔をされましたが、笑顔で、いいですよ、とおっしゃいました。
胃カメラの時は、検査をしてくださる先生に顔を向けるような姿勢だったんですが、大腸検査の時は逆に先生に背を向けるような格好で始まります。
正直なところ、母は、先生に背を向けるのは失礼なような気もしていたようなのですが、先生と目を合わさずに済んだのでこれはこれで良いなと思ったそうです。
大腸内視鏡検査も同じように、横になり横になるとわりとすぐに、麻酔の薬が入りますねと先生が伝え、間もなく、うつらうつらし始めました。
途中、先生に背を向けた姿勢から、仰向けの姿勢に代わっていました。
まず、母から大腸検査。結果は全く問題なし。
私と母は、顔を見合わせ、ホッと安堵の顔。
大腸検査は検査自体も痛いものと、友人から聞いていたようで、全く痛みなく検査が終わったことにもびっくりしていました。
上手に検査して頂き、ありがとうございます。
続いて父の番。
同じように麻酔がかかると、すぐに父も眠り始めました。
「山田さん、ここが盲腸ですね」先生の声で検査モニターの画面を私も見ました。
するとすぐに、これは大きいな、と先生がつぶやく声が聞こえました。
先生は少し眉間にしわを寄せ、真剣な顔つき。
山田さんいいですか、と先生が改まって聞いてきました。
先生は大きく一つ呼吸をしました「今これが見えますか」
モニターを見ると、素人の私でもはっきりわかるくらい、もこもこと大きく隆起した腫瘍が見えました。
父は今まで病気などしたことがなかったので、正直、目を疑いました。
これは6センチくらいありますねと先生の声。
父もあまりに衝撃的すぎて頭が真っ白になったと、後で言っていました。
「正直なところ大腸癌だと思います。内視鏡で切除できると思いますので内視鏡手術を行う方針にさせていただいてよろしいでしょうか」
そこから先は私もテンパっていてあまりよく覚えていないのですが、先生は手術の内容やリスクなどを説明されていました。
1cm前後のポリープの場合は、出血リスクも高くないのでその場で切除していることが多いみたいなのですが、2cmを超えるような大きい腫瘍になると、電気メスを使った内視鏡手術になることが必要みたいです。
腫瘍を切除した後にもクリップと言う装置で傷口を縫わないといけないみたいなので、後日改めて治療しますとおっしゃっていました。
その際に腸の出口に近いあたりに1センチほどのポリープが2つあったため、その場で切除してもらいました。
検査後、問題の盲腸の大きい腫瘍を切除するための予約を取りました。
帰り道の車の中。
私は父に正直に言うか一瞬まよったのですが、ありのままを全て伝えることにしました。
父は、そうなのか、と落胆していました。
内視鏡で取れるらしいから大丈夫だよ、と私と母は励ましました。
まあ大丈夫か、普段から口数の少ない父は、そうポツりといったきり表情を変えずに黙っていました。
やはりショックだったんだろうと思います。
その日は、車の中でも会話は弾まず、両親を実家に送った後は、私も自宅に帰りました。
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そして3週間後の治療当日、先生を信じて家族3人、意を決して挑みました。
私と母がそわそわしており、むしろ当の父が一番落ち着いているようにも見えました。
手術当日、父は麻酔ですぐに寝落ちしてしまって、先生が頑張って取ってくださった手術の内容は一切覚えておりませんでした。
父も内視鏡手術といっても少しは痛いのかなあと身構えていたそうなのですが、内視鏡手術の後もお腹は全く痛くなく、出血などもありませんでした。
その日は、私も心配なので実家に泊まり込んで、父の身の回りの手伝いなどをしました。
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切除した腫瘍の組織検査の結果が出るのに10日から2週間ほどかかると案内されました。
早速、2週間後に結果説明の予約をとって受診しました。
検査の結果説明の外来の日の事は今でもよく覚えています。
山田さん、そう呼ばれて診察室のドアに入るのを一瞬ためらいました。
深呼吸した後、部屋のドアをあけて診察室の椅子に座るなり、先生やっぱり癌だったんでしょうか、とすぐに聞いてしまいました。
「山田さんこちらがとった組織の結果です。……結果はやっぱり癌でした」先生は、少しゆっくりとした口調で、答えられました。
覚悟はしていましたが、結果はやっぱりショックでした。
父もじっと先生の顔を見たまま、ただ黙っていました。
沈黙を破ったのは、先生でした。
「山田さん、確かに結果は癌でした。でも早期癌で内視鏡手術で腫瘍は取り切れていると思います」キョトンとした顔の私を見て先生は柔らかな顔で続けました。
「そう、非常に早期な癌なので、癌が大腸の粘膜の表面にとどまっていたのです。大腸の筋肉や、その外側に癌が広がってはいませんでした。このステージの癌だと、リンパ節などに転移して再発するリスクはほぼゼロに近いといえます」
「それは、父の癌は完全に取り切れたと言うことでいいんでしょうか」私は恐る恐る尋ねました。
「ええ、そう考えていただいて結構です」先生はにこりと笑いました。
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クリニックからの帰り道、私は父と母と、久しぶりにお茶をしました。3人とも、緊張から解放された感じで、いろいろなことを話しました。
私はこの機会に父とゆっくり話しました。これまでのことを、これからのこと、家族のこと、いっぱい話せました。
再発のリスクは完全にゼロではないため、父は毎年大腸検査を受けることにしたようです。
父も今回の大腸癌をきっかけに、他の健康チェックもしてみようという気になってくれて、今度、全身のCT検査や動脈硬化の検査などを受けることになっています。
先生には、大腸がんを早期で発見、そして治療までしていただき感謝しています。
本当にありがとうございました。
(Fin)
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以上、山田さん(仮名)からのお手紙をご紹介させて頂きました。
御自身の親御さんに初めて癌が見つかったときのイメージの参考になれば幸いです。
親や家族が癌になったら:まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、親や家族に癌になったら、というテーマでお話しました。
日本人の2人に1人は癌になる時代で、特に40歳をこえると癌のリスクは上がります。
その癌の中でも胃癌や大腸癌といった消化器系の癌は6割以上、大半を占めます。
親や家族が、長い間、癌を含む健康チェックをしていない、という方は、堺なかむら総合クリニックにお気軽にご相談ください。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、午前中だけで下剤をのまずに胃カメラと大腸カメラを同時に行うことができ、食道癌・胃癌・十二指腸癌・結腸癌・直腸癌の5つの癌を一度にチェックできます。是非、ご相談ください。
「癌のチェックはお任せください」