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急性胃腸炎やストレス性胃腸炎で仕事を休むべき?

下痢や腹痛などの急性胃腸炎やストレス性胃腸炎の症状でお困りの方へ。
胃腸炎の原因は、ストレス性、免疫性、ウイルスや細菌性などが考えられます。
胃腸炎になったときは、仕事を休むべきでしょうか。
ちなみに、流行中の新型コロナウイルスでも下痢や嘔吐といった胃腸炎に似てる消化器症状が見られることがあります。
「みぞおちが痛い」「胃がきもち悪い」「胃がむかむかする」「ゲップ・下痢が止まらない」といった症状を自覚して検査するとコロナだったという方もおられるようです。
今回のブログではストレス性胃腸炎も含めた胃腸炎について症状や治療などを、どこよりも分かりやすく解説していきます!
前半にウイルス性・細菌性胃腸炎、後半にストレス性胃腸炎についてお話します。
それでは、早速どうぞ! (本稿は日本消化器病学会・消化器病専門医の中村孝彦医師が執筆しています)

「私もストレスがかかると、すぐにお腹が痛くなります。いててて…」

急性胃腸炎やストレス性胃腸炎で仕事を休むべき?


胃腸炎とは胃、小腸、大腸の粘膜に生じた炎症のことと一般的には言われています。
代表的な胃腸炎としてはウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎、ストレス性胃腸炎がありますが、薬の摂取が原因(薬剤性胃腸炎)や免疫の病気が原因(好酸球性胃腸炎など)となることもあります。
ウイルス性胃腸炎はノロウイルスなどのウイルスが胃腸に侵入し、胃腸の働きを悪化させることで発生します。
ウイルス性胃腸炎は突然の嘔吐で始まることが多いとされます。
ウイルスが侵入して1-2日程度で、吐気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛などの症状が現れる。
症状の経過としては嘔吐に続いて、下痢が見られることが多いです。
症状の程度には個人差がありますが、概ね3日~4日で症状は改善に向かいます。
ただし、乳幼児の場合は下痢の症状が長引くこともあるので注意が必要です。
ウイルス性胃腸炎の原因としてはノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが頻度が高いです。
人経由で感染する場合は、感染者の嘔吐物・便を触った手を介しての感染が多いです。
しかし、乾燥した嘔吐物から飛散したウイルスを吸い込んで感染してしまうケースもあり、居酒屋などでの飲み会や、トイレでの感染には注意が必要です。
一方、細菌性胃腸炎の原因としては、カンピロバクターという菌の感染によるものが多いです。
カンピロバクター胃腸炎は生肉を触った手で調理をしたり、十分に火を通さない肉を食べたりすることで発生します。
肉の中では特に、生の鶏肉に注意が必要です。 では、胃腸炎では仕事は何日休むべきでしょうか。
ウイルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎では、発症から少なくとも3日間は休んだ方が良いです。
ただし、下痢や嘔吐などの症状が続いている場合は、ウイルスや細菌の排菌が続いていると考えられるため、症状が持続している間は、発症から3日以上経過していても仕事を休んだ方がよいでしょう。
ストレス性胃腸炎については後半に解説します。

胃腸炎の治療と予防方法は?


ウイルス性胃腸炎の場合は水分補給などの対症療法が中心となありますが、細菌性胃腸炎では抗生物質の投与が必要になることがあります。
しかし、特に高齢者や乳幼児は嘔吐や下痢による脱水症状を起こしやすく、自力で水分補給が難しい場合は点滴治療が必要になります。
嘔吐した場合は数時間は食べ物や水分の摂取を控え、胃腸を休めることが重要です。
水分を摂るとき一気には飲まず、少量の水を少しずつ飲み、胃腸に負担をかけないようにすることがポイントです。
脱水傾向にある場合は、OS-1などのミネラルのバランスを整えてくれる経口補水液を摂るのもよいでしょう。
嘔吐の下痢の症状がある間は湯船に浸かると家族みんなに「うつす」危険があるので、シャワーだけにしましょう。
胃腸炎の基本的な予防方法は手洗いです。
胃腸炎の症状のある人の吐物や便を片付ける時は手袋やエプロン等を着用し、処理後は石けんと流水でしっかりと手を洗わなければなりません。
胃腸炎の症状が落ち着いてからも1~2週間程度は便にウイルスが排出されている可能性があるため、症状が落ち着いてからも手洗いは継続する必要があります。

下痢が続くのはコロナか過敏性腸症候群かチェック


新型コロナウイルスは多くの症例で発熱、咳、咽頭痛、鼻汁、頭痛などがみられます。
しかし、割合としては10%未満になりますが、下痢や嘔吐といった消化器症状が見られることもあります。
下痢や嘔吐などの症状が1週間以上続く場合、新型コロナウイルス感染の可能性を念頭におかなければなりません。
ウイルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎では発症から3〜4日目までをピークに改善に向かうのが一般的です。
しかし、新型コロナウイルス感染症では、1週間以上症状が長く経過するという点が見分け方の第一のポイントです。
さらに、①②③のいずれかがある時は新型コロナウイルス感染症を疑わなければなりません。
①風邪症状や発熱、息苦しさ、倦怠感のいずれかが続いている
②新型コロナウイルスに感染した人と、2週間以内に濃厚接触歴がある
③味覚・嗅覚異常がある 上記にあてはまる方は重症化する前に速やかに医療機関を受診しましょう。

ストレス性胃腸炎の症状をチェック!


ストレス性胃腸炎とは、厳密な医学用語ではなく、急性胃炎や過敏性腸症候群を含んだ複合的な概念です。
ストレス性胃腸炎が胃に作用した場合は、急性胃炎と呼ばれ、症状としては、胃の粘膜がただれることで、腹痛や、みぞおちの不快感、吐気などの症状をおこします。
お腹の真ん中が急に痛むことがあり、重症化すると血を吐いたりや血便が出たりすることもあります。
医学的には胃の広範囲にびらんという粘膜が傷ついた状態になるものはAGML(エージーエムエル)と呼びます。
胃潰瘍と症状が似ていることがあるかもしれませんが、ストレス性胃腸炎とは胃潰瘍とは違う病態なのです。
ストレス性胃腸炎が腸に作用した場合は、医学的には「過敏性腸症候群:かびんせい-ちょう-しょうこうぐん」とよびます。
過敏性腸症候群では下痢や便秘、腹痛といった症状がでます。

ストレス性胃腸炎の原因は?


ストレス性胃腸炎は、心理的なストレスの他、ピロリ菌への感染や、アニサキスなどの寄生虫や青魚に対するアレルギー反応によって胃が炎症を起こすことが原因となることがあります。
市販の解熱鎮痛剤、ステロイド薬、抗菌薬といった薬に対する副作用が原因となることもあります。
また、アルコールやコーヒーなどの刺激物を飲み過ぎたり、タバコを吸い過ぎたりといった生活習慣の乱れでもおこります。
さらに、多くの方が考えるストレス性胃腸炎のイメージだと思いますが、ストレスの多い不規則な生活が続くと胃への刺激が強くなり急性胃炎をおこすことがあります。
職場や家庭で受ける心理的な負担がきっかけとなって胃の粘膜が荒れ、発症する場合もあります。
これらのストレスや緊張、生活の乱れが腸に作用すると下痢などの症状が生じます。

みぞおちが痛い!コロナ?ストレス性胃腸炎?


ストレス性胃腸炎の症状としては慢性胃炎とは異なり急激に発症するのが大きなポイントといえます。
胃の不快感、膨満感、みぞおちのあたりの強い痛み、吐気などが症状としてあらわれます。
症状の期間としては1から2日程度で治まる場合もありますが、吐気などの症状が長い期間続くこともあります。
やはり、この場合も発熱や呼吸苦があるなら、コロナも考えなければいけません。
また原因によっても異なります。
例えばアニサキスによる感染の場合は食後から数時間で急性胃炎を発症します。
胃粘膜の炎症が重症化した場合は吐を血いたりすることもあるので疑わしい症状が出たら早めに医療機関を受診するのがポイントです。
医療機関で急性胃炎・AGMLが疑われた場合は、血液検査や超音波検査のほか、医師の判断で胃カメラを用いて直接胃粘膜のただれの状態を確認し、診断後そのまま治療につなげます。
ピロリ菌が原因として疑わしい場合はピロリ菌の検査を行うこともあります。

ストレス性胃腸炎で仕事は何日休む?


ストレス性胃腸炎は病態的には一過性の胃のただれのため、ストレス性胃腸炎を疑ったら、十分に休む期間をとって、食事を休んだり消化のいい食事に変えましょう。
胃を安静にすれば、早期のものなら数日以内に軽快するので、まずは数日休みましょう。
アルコールやコーヒー、香辛料など胃にとって刺激になる食べ物を避けて、胃にストレスをかけないよう日常生活の乱れを整えてください。
発症の原因として、ピロリ菌の感染やアニサキスの感染が確認された場合は、それらの除菌治療を施行します。
吐き気などの症状が強く食事もまともにとれないような状態が続くと衰弱して全身状態が悪くなるため、点滴治療による脱水補正や栄養補給を行い、胃粘膜を修復する薬の投与を行います。
PPI(ピーピーアイ)、H2(エイチツー)ブロッカーといった胃酸を抑える胃薬を用いた治療を行います。
みぞおちの痛みは食道や胃、十二指腸といった消化管以外にも肝臓や膵臓、あるいは心臓などの他の重篤な疾患が原因となる可能性もあります。
そのため、痛みがある場合は胃の調子が悪いんだろうと決めつけずに早めに病院を受診することが大切です。
仕事や家庭などの精神的なストレスが原因になっている場合は、何日休むのが正解でしょうか。
ストレス性胃腸炎の症状自体は数日休めばよくなることが多いですが、ストレスの原因が根本的に除去できない場合は1週間、場合によってはそれ以上の休む期間をとった方が良い場合があります。
このあたりは心身症とよばれる領域で、胃炎の治療と並行して、お薬も使いながら精神面での治療も必要になる場合があります。ストレス性胃腸炎で休む場合、その1週間は何も予定を入れないようにしましょう。
その間に胃酸分泌を抑えるお薬などをしっかり使って、十分に心身ともに休養をとりましょう。

ストレス性胃腸炎と慢性胃炎(萎縮性胃炎)の違いとは?


これまで解説してきたストレス性胃腸炎(急性胃炎)は急性期の胃炎ですが、それとは違って健診の胃カメラなどで指摘される「慢性胃炎(まんせいいえん)」をご存じでしょうか。
慢性胃炎は萎縮性胃炎(いしゅくせい・いえん)ともいわれ、70代の方の70%にみられる頻度の高い病気です。
慢性胃炎は主にピロリ菌の感染が原因となります。
この慢性胃炎のうち、ピロリ菌が原因になるときは、ピロリ菌を除菌せずに放置することで胃潰瘍や胃がんを生じる可能性があります。
さらにこの慢性胃炎が長期間にわたって持続し、胃粘膜が薄くなってしまい萎縮すると、「萎縮性胃炎」という状態になり、胃がんの発症リスクが高まります。
「萎縮(いしゅく)」と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか。
胃の粘膜がしわくちゃに縮んだ状態をイメージされるかもしれません。
しかし実際はそうではなく、胃の粘膜がペラペラに薄くなった状態をいいます。

胃がむかむかする!慢性胃炎(萎縮性胃炎)ってどんな症状が出るの?


慢性胃炎(萎縮性胃炎)は胃の粘膜が薄くなることで、胃液の分泌が減ってしまいます。
その結果として症状としては、胃がむかむかする、胃が痛い、胸焼け、吐気、食欲低下などがおこります。
もちろん無症状の方も多いです。
慢性胃炎の場合も急性胃炎と同様、発熱や呼吸苦があれば胃炎と決めつけずにコロナの可能性も考えましょう。

健診で慢性胃炎(萎縮性胃炎)と言われたら?


慢性胃炎(萎縮性胃炎)は胃がんのハイリスク状態とされています。
胃がん予防のためには早期発見・早期治療が大切なことになり、胃カメラで胃の状態を詳しく観察する必要があります。
学会などでは胃がん予防のために年1回は胃カメラを受けるように推奨されています。
大阪の【堺なかむら総合クリニック】では通常の胃カメラ(太さ約10mm)の半分ほどの細さの胃カメラ(太さ約5mm)を使った検査や、麻酔(鎮静剤)を使った胃カメラを行っているので楽に検査が受けれると患者さまから好評を頂いております。お気軽にご相談ください。

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の内視鏡検査

まとめ


今回のブログでは、胃腸炎について詳しく解説しました。
嘔吐や下痢症状があり、コロナ胃腸炎やストレス性胃腸炎が心配だった方に参考になれば幸いです。
このブログが明日からのご自身のご健康にお役立て頂けることを願っています。
胃腸炎が気になる方は、お気軽にご相談ください。

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「胃腸炎が気になる方は、お気軽にご相談ください!堺なかむら総合クリニックでした」