【胃腸炎とコロナの見分け方】違いを医師が解説!

こんにちは、Dr.くまです。

新型コロナウイルスが拡大を続け、緊急事態宣言が出された昨今、不安になりますよね。

 

ところで、新型コロナウイルスで下痢や嘔吐といった胃腸炎に似てる消化器症状が見られることもあるのはご存知でしょうか。

今回は、胃腸炎とコロナの見分け方・違いを現役医師が徹底解説します!

 

「新型コロナウィルスの7-10%に下痢症状があるって知ってましたか?くまも注意するのです!」

 

【目次】


1. 胃腸炎の原因と症状は?コロナと似てる?

2. 胃腸炎の治療と予防方法は? 

3. 胃腸炎とコロナの見分け方・違い

4. 胃腸炎と急性胃炎の違いは?

5. 急性胃炎の原因は?

6. 急性胃炎の症状ってどんなの?

7. 急性胃炎の予防、治療は?

8. 急性胃炎と慢性胃炎の違いとは?

9. 慢性胃炎(萎縮性胃炎)の症状とは?

10. 慢性胃炎(萎縮性胃炎)と言われたら?

  

 

1. 胃腸炎の原因と症状は?コロナと似てる?


胃腸炎とは胃、小腸、大腸の粘膜に生じた炎症のことと一般的には言われています。

 

代表的な胃腸炎としてはウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎がありますが、薬の摂取が原因となることもあります。

 

ウイルス性胃腸炎はノロウイルスなどのウイルスが胃腸に侵入し、胃腸の働きを悪化させることで発生します。

 

ウイルス性胃腸炎は突然の嘔吐で始まることが多いとされます。

 

ウイルスが侵入して1-2日程度で、吐気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛などの症状が現れる。

 

症状の経過としては嘔吐に続いて、下痢が見られることが多いです。

 

症状の程度には個人差がありますが、概ね3日-4日で症状は改善に向かいます。

 

ただし、乳幼児の場合は下痢の症状が長引くこともあるので注意が必要です。

ウイルス性胃腸炎の原因としてはノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが頻度が高いです。

 

人経由で感染する場合は、感染者の嘔吐物・便を触った手を介しての感染が多いです。

 

しかし、乾燥した嘔吐物から飛散したウイルスを吸い込んで感染してしまうケースもあり、居酒屋などでの飲み会や、トイレでの感染には注意が必要です。

 

一方、細菌性胃腸炎の原因としては、カンピロバクターという菌の感染によるものが多いです。

 

カンピロバクター胃腸炎は生肉を触った手で調理をしたり、十分に火を通さない肉を食べたりすることで発生します。

 

肉の中では特に、生の鶏肉に注意が必要です。

  

 

2. 胃腸炎の治療と予防方法は?


ウイルス性胃腸炎の場合は水分補給などの対症療法が中心となありますが、細菌性胃腸炎では抗生物質の投与が必要になることがあります。

 

しかし、特に高齢者や乳幼児は嘔吐や下痢による脱水症状を起こしやすく、自力で水分補給が難しい場合は点滴治療が必要になります。

 

嘔吐した場合は数時間は食べ物や水分の摂取を控え、胃腸を休めることが重要です。

 

水分を摂るとき一気には飲まず、少量の水を少しずつ飲み、胃腸に負担をかけないようにすることがポイントです。

 

脱水傾向にある場合は、OS-1などのミネラルのバランスを整えてくれる経口補水液を摂るのもよいでしょう。

 

嘔吐の下痢の症状がある間は湯船に浸かると家族みんなに「うつす」危険があるので、シャワーだけにしましょう。

 

胃腸炎の基本的な予防方法は手洗いです。

 

胃腸炎の症状のある人の吐物や便を片付ける時は手袋やエプロン等を着用し、処理後は石けんと流水でしっかりと手を洗わなければなりません。

 

胃腸炎の症状が落ち着いてからも1~2週間程度は便にウイルスが排出されている可能性があるため、症状が落ち着いてからも手洗いは継続する必要があります。

  

 

3. 胃腸炎とコロナの見分け方・違い


新型コロナウイルスは多くの症例で発熱、咳、咽頭痛、鼻汁、頭痛などがみられます。

 

しかし、割合としては10%未満になりますが、下痢や嘔吐といった消化器症状が見られることもあります。

 

下痢や嘔吐などの症状が1週間以上続く場合、新型コロナウイルス感染の可能性を念頭におかなければなりません。

 

ウイルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎では発症から3〜4日目までをピークに改善に向かうのが一般的です。

 

しかし、新型コロナウイルス感染症では、1週間以上症状が長く経過するという点が見分け方の第一のポイントです。

 

さらに、①②③のいずれかがある時は新型コロナウイルス感染症を疑わなければなりません。

 

①風邪症状や発熱、息苦しさ、倦怠感のいずれかが続いている

 

②新型コロナウイルスに感染した人と、2週間以内に濃厚接触歴がある

 

③味覚・嗅覚異常がある

 

上記にあてはまる方は重症化する前に速やかに医療機関を受診しましょう。

 

4. 胃腸炎と急性胃炎の違いは?


胃腸炎と似ている言葉に急性胃炎があります。

 

急性胃炎とはなんでしょうか?

 

急性胃炎とは胃の粘膜がただれることで、腹痛や、みぞおちの不快感、吐気などの症状をおこすことです。

 

お腹の真ん中が急に痛むことがあり、重症化すると血を吐いたりや血便が出たりすることもあります。

 

医学的には胃の広範囲にびらんという粘膜が傷ついた状態になるものはAGML(エージーエムエル)と呼びます。

 

胃潰瘍と症状が似ていることがあるかもしれませんが、急性胃炎とは胃潰瘍とは違う病態なのです。

 

関連記事:【胃に穴があく?】ストレスだけじゃない胃潰瘍!

  

 

5. 急性胃炎の原因は?


ピロリ菌への感染や、アニサキスなどの寄生虫や青魚に対するアレルギー反応によって胃が炎症を起こすことが原因となることがあります。

 

市販の解熱鎮痛剤、ステロイド薬、抗菌薬といった薬に対する副作用が原因となることもあります。

 

また、アルコールやコーヒーなどの刺激物を飲み過ぎたり、タバコを吸い過ぎたり、ストレスの多い不規則な生活が続くと胃への刺激が強くなり急性胃炎をおこすことがあります。

 

職場や家庭で受ける心理的な負担がきっかけとなって胃の粘膜が荒れ、発症する場合もあります。

  

 

6. 急性胃炎の症状ってどんなの?


急性胃炎の症状としては慢性胃炎とは異なり急激に発症するのが大きなポイントといえます。

 

胃の不快感、膨満感、みぞおちのあたりの強い痛み、吐気などが症状としてあらわれます。

 

症状の期間としては1から2日程度で治まる場合もありますが、吐気などの症状が長い期間続くこともあります。

 

また原因によっても異なります。
例えばアニサキスによる感染の場合は食後から数時間で急性胃炎を発症します。

 

胃粘膜の炎症が重症化した場合は吐を血いたりすることもあるので疑わしい症状が出たら早めに医療機関を受診するのがポイントです。

 

医療機関で急性胃炎・AGMLが疑われた場合は、血液検査や超音波検査のほか、医師の判断で胃カメラを用いて直接胃粘膜のただれの状態を確認し、診断後そのまま治療につなげます。

 

ピロリ菌が原因として疑わしい場合はピロリ菌の検査を行うこともあります。

 

関連記事:【ピロリ菌とは?】検査や除菌費用も解説!【2021最新】

  

 

7. 急性胃炎の予防、治療は?


急性胃炎は一過性の胃のただれのため、急性胃炎を疑ったら、食事を休んだり消化のいい食事に変えて胃を安静にすれば、早期のものなら自然と快方します。

 

アルコールやコーヒー、香辛料など胃にとって刺激になる食べ物を避けて、胃にストレスをかけないよう日常生活の乱れを整えてください。

 

発症の原因として、ピロリ菌の感染やアニサキスの感染が確認された場合は、それらの除菌治療を施行します。

 

吐き気などの症状が強く食事もまともにとれないような状態が続くと衰弱して全身状態が悪くなるため、点滴治療による脱水補正や栄養補給を行い、胃粘膜を修復する薬の投与を行います。

 

PPI(ピーピーアイ)、H2(エイチツー)ブロッカーといった胃酸を抑える胃薬を用いた治療を行います。

 

みぞおちの痛みは食道や胃、十二指腸といった消化管以外にも肝臓や膵臓、あるいは心臓などの他の重篤な疾患が原因となる可能性もあります。

 

そのため、痛みがある場合は胃の調子が悪いんだろうと決めつけずに早めに病院を受診することが大切です。

 

 

8. 急性胃炎と慢性胃炎(萎縮性胃炎)の違いとは?


これまで解説してきた「急性胃炎」は急性期の胃炎ですが、それとは違って健診の胃カメラなどで指摘される「慢性胃炎」をご存じでしょうか。

 

慢性胃炎は萎縮性胃炎ともいわれ、70代の方の70%にみられる頻度の高い病気です。

 

慢性胃炎は主にピロリ菌の感染が原因となります。

 

この慢性胃炎のうち、ピロリ菌が原因になるときは、ピロリ菌を除菌せずに放置することで胃潰瘍や胃がんを生じる可能性があります。

 

さらにこの慢性胃炎が長期間にわたって持続し、胃粘膜が薄くなってしまい萎縮すると、「萎縮性胃炎」という状態になり、胃がんの発症リスクが高まります。

 

「萎縮(いしゅく)」と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか。

 

胃の粘膜がしわくちゃに縮んだ状態をイメージされるかもしれません。

 

しかし実際はそうではなく、胃の粘膜がペラペラに薄くなった状態をいいます。

 

 

 

9.慢性胃炎(萎縮性胃炎)ってどんな症状が出るの?


 慢性胃炎(萎縮性胃炎)は胃の粘膜が薄くなることで、胃液の分泌が減ってしまいます。

 

その結果として症状として、胃がむかつく、胃が痛い、胸焼け、吐気、食欲低下などがおこります。

もちろん無症状の方も多いです。

 

 

10. 健診で慢性胃炎(萎縮性胃炎)と言われたら?


慢性胃炎(萎縮性胃炎)は胃がんのハイリスク状態とされています。

 

胃がん予防のためには早期発見・早期治療が大切なことになり、胃カメラで胃の状態を詳しく観察する必要があります。

 

学会などでは胃がん予防のために年1回は胃カメラを受けるように推奨されています。

 

大阪府堺市のなかむら内視鏡センターでは通常の胃カメラ(太さ約10mm)の半分ほどの細さの胃カメラ(太さ約5mm)を使った検査や、麻酔(鎮静剤)を使った胃カメラを行っているので楽に検査が受けれると患者さまから好評を頂いております。

 

また、なかむら内視鏡センターでは、当日予約、当日検査可能な「クイックイン胃カメラ」を行っています。

ぜひお気軽にご相談下さい。

 

関連ページ:【堺市で胃カメラ当日予約できる】なかむら内視鏡センター

 

【 まとめ 】


今回のコラムでは「嘔吐・下痢症状の原因は胃腸炎?コロナ?」について解説しました。

 

1. 胃腸炎の原因と症状は?

2. 胃腸炎の治療と予防方法は? 

3. 新型コロナウイルスの下痢症状との見分け方

4. 胃腸炎と急性胃炎のちがいは?

5. 急性胃炎の原因は?

6. 急性胃炎の症状ってどんなの?

7. 急性胃炎の予防、治療は?

8. 急性胃炎と慢性胃炎の違いとは?

9. 慢性胃炎(萎縮性胃炎)の症状とは?

10. 慢性胃炎(萎縮性胃炎)と言われたら?

 

嘔吐や下痢症状があり、胃腸炎・コロナや急性胃炎が心配だった方に参考になれば幸いです。
このコラムが明日からのご自身のご健康にお役立て頂けることを願っています。

 

「くまは、はやくコロナのワクチンを打ちたいのです。Dr.くまでした」

 

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