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ストレス性胃腸炎で仕事を休む!診断書のもらい方は?

仕事が辛くて、仕事を辞めたい、仕事を休みたいと思っている方へ

コロナ禍で健康の悩みや経済的な悩みがあり、ストレスを抱えている方も多いと思います。
私は、ストレス性胃腸炎などのお腹の病気の治療を得意としているのですが、お腹の調子は心の調子に非常に左右されるため、心の病気を診察する機会も多くあります。
今回は、仕事を休む時どうするか、病院で病気の診断書をもらうべきか、というお話と、そもそも仕事で病まないためにはどうすべきか、というお話をしたいとおもいます。

記事の前半では、ストレス性胃腸炎を例にとって、会社を休むと決めた時に診断書を病院でもらうべきかをお話し、後半に仕事で病まない方法や病まない人の特徴について解説してきます。

それでは早速どうぞ!

(本稿は消化器病専門医の中村孝彦医師が執筆しています)

「誰しも仕事を休みたいことありますよね」


ストレス性胃腸炎で仕事を休む!診断書のもらい方は?


ストレス性胃腸炎で仕事を休む!診断書のもらい方は?

ストレス性胃腸炎を例にとって、会社を休む時の診断書のもらい方を解説していきたいと思います。

入職したばかりの頃は、やる気に満ちていたはずなのに、数か月、数年と時間が経つ中で仕事のストレス・人間関係のストレスで仕事を休みたい、と思ったことはないでしょうか。

どれだけ前向きな人でも、1度や2度は仕事を休みたいと思ったことはあると思います。
ストレス性胃腸炎で会社を休みたい、と思ったときはまずは御自身の会社の就業規則を確認し、休職の申請方法を確認することから始めましょう。

休職とは雇用契約を中断せずに一定期間休みをとれる制度のことで有給休暇とは異なり無給で休むこととなります。

労働基準法には、診断書の提出に関する規定がないため、原則として会社の就業規則に従う形になりますが、大抵の企業は診断書の提出を求めています。
ストレス性胃腸炎などの障害や疾患の診断があり、医師が休職が必要だと判断した場合、クリニックや病院などで診断書をもらって休職の手続きを進めることになります。
ストレス性胃腸炎の診断書をもらったあとは人事の担当者や上司に提出し、休職についての具体的な相談をします。
診断書には、一定の期間の療養が必要であるという旨が書かれることがほとんどです。
どのくらいの期間、休職するかは、診断書に書かれた休養期間をもとに御本人が会社側と相談して決めることもあります。
通常、診断書の発行は自費扱いとなり、医療保険の対象とはなりません。診断書は自費で3千円から6千円が相場ですが、医療機関ごとに費用に幅があります。

一般的に業務外で発生した怪我や病気による休職は、個人の都合と判断され個人負担となることが多いですが、休職理由が労災などの場合は診断書費用は労災保険の負担となります。
診断書発行までの時間は、当日~3週間ほどとバラツキがありますが、一般に総合病院よりもクリニックの方が診断書発行までの時間が短く、費用もかからないことが多いので、クリニックに相談してみましょう。
ストレス性胃腸炎の原因を調べる内視鏡検査で仕事を休む場合も、診断書がきちんと出ますのでご安心ください。
たまに仮病のような形で診断書が欲しいという方がおられますが、明確に仮病という話をされると診断書は書けないので注意してください。

仮病も有効?仕事で病まない方法・病まない人の特徴は?


仮病も有効?仕事で病まない方法・病まない人の特徴は?

私は仕事がら、当然医療に携わっている訳ですが、仕事で病んでストレス性胃腸炎などにかかり、お腹の調子をこわす患者さんを診察している一方で、ハードな医療の現場でメンタルを壊して病んでしまった、先輩・後輩・同僚を数多く目にしてきています。

そういった多くの私の経験から、そもそも仕事で病まないためにはどうすればよいか、というお話をさせて頂きます。

人間はそれぞれ、生まれ持った精神力(メンタル)の強さ・弱さももちろんありますが、得意分野・不得意分野もあり、置かれた環境の影響も強く受けます。

一般的に責任感の強い人、期待に応えようと頑張りすぎてしまう人は鬱になりやすいとされますが、一方で鬱になりにくい、病まない人の特徴としては、趣味を楽しんでいる、八方美人でない、ほどよく休んでいる、人を上手に頼るなどがあります。

しかしいくらこれらの特徴を備えたメンタルの強い人でも、自分の不得意な分野の環境で性格の合わない上司、パワハラなどで長期間不遇な環境に置かれると病んでしまうでしょう。

逆に、もともと精神力がつよくないような人でも、環境さえ選べば、全く問題なく、むしろ自分の能力を存分に発揮して活躍している方もいます。
しかし、家庭の事情や経済的な事情などで、今置かれている環境から逃げられないような状況の方も大勢おられるでしょう。
時には、仮病を使って、自分が本当に追い込まれる前に小休止をいれるのも大切です。

しかし、置かれた環境は選べなくても、仕事に病まずに幸せに生活を送ることはできます。
そこには、明確な知恵、テクニックが存在するのでそれをお伝えしていきます。

不安に思っている事は9割おこらない~心の持ち方


不安に思っている事は9割おこらない~心の持ち方

そもそも仕事で病んでしまうのは何故でしょうか。

多くの方は、先輩・後輩・同僚、あるいは取引先との人間関係、あるいは長時間労働や低賃金などのストレスが仕事で病む原因になっているかと思います。
取引先に怒られるんじゃないか、締切に間に合わないんじゃないか。
あるいは、こんなことを続けていたら身体を壊すんじゃないか、こんな安い給料でやっていけるのか。
実は人間は、その危険回避の性質上、未来の不安に対してシミュレーションしてしまう癖があります。
しかし、この癖によって、不安になって夜に眠れなくなってしまったりします。そして睡眠不足になると、脳のセロトニンなどの物質が少なくなるため、さらに不安になると言う悪循環になるのです。

ではどうすれば良いのでしょうか。
答えは、夜寝る前にそういったことを考えないように持っていけばいいのです。

例えば明日の仕事の事や取引先の事で言うと、ついつい夜にスマートフォンを持ってメールやLINEを見てしまったり、インターネットで関連することを調べてしまったりして、自分で夜寝る前にそういったことを考えるきっかけを作っている場合が多いのです。
家に帰ったら、仕事は絶対に持ち込まないようにし、自分の趣味や、お風呂やストレッチあるいはアロマなどリラックスできる環境を整えましょう。

では、不安を引き起こすような仕事やメールといった連絡はいつすれば良いのでしょうか。

圧倒的にオススメなのは朝です。
朝は、体の疲れが取れているだけじゃなく、脳も十分に休まって、脳内神経物質も十分に回復している状態です。
そのため、精神的にストレスになるような仕事や作業は、できるだけ朝に持ってきましょう。

人間が不安に思っていることの、9割は実際に起きなかったり、起きたとしても自分が思っているよりは軽い程度で終わったりするものです。
いろいろな状況をシュミレーションして準備を行う事はもちろん大事ですが、家に帰ってから、特に夜は何も考えずにリラックスした環境を整えていきましょう。

体と心のストレッチを行う


体と心のストレッチを行う

人間の心は、体の状態や周囲の環境に強く影響受けます。

つまり、自分では理路整然と考えているつもりでも、実は、自分の体の状態や環境によって、自分の脳の意識が、そう思わされているだけかもしれないのです。

例えば、精神的に疲れて何もやる気が出ないと言うのは、実は運動不足やストレッチ不足が原因であることが多く、実際に精神医学の世界でも、散歩や軽いジョギングなどの運動が、治療として取り入れられています。

忙しい現代生活では、なかなか毎日運動することは難しいと思いますが、最低限、寝る前夜お風呂上がりに10分程度ストレッチすることで、精神の安定作用があり、気持ちも前向きになります。

ストレッチは体を単純に柔らかくする効果ももちろんありますが、それ以上に心のストレッチに効果があります。
そこには、明確な知恵、テクニックが存在するのでそれをお伝えしていきます。

人生のポートフォリオを持つ〜大崩れしない


人生のポートフォリオを持つ〜大崩れしない

ポートフォリオという言葉は、金融の世界で、資産構成を意味する言葉で、資産のリスクヘッジをするために、現金の他に、株や不動産といった複数のものに資産を分配することを指します。

要は、一つが駄目で崩れても、他の部分で補える、もしくは全てが一辺に崩れないようにするという考え方ですね。

これは非常に重要な考え方ですが、人生にも応用できます。
あなたが喜びを感じるもの、あるいは事はなんでしょうか。

仕事、家庭、食べ物、スポーツ、芸術、音楽、映画。
人によって色々あると思います。

しかし、このうち、喜びを感じるものが2つ以下だ、という方は危険です。
あなたが喜びや幸せ、やりがいを感じる人生のポートフォリオは、少なくとも3つ、できれば4つ以上にしておきましょう。
このうち、家庭と、体を動かす趣味、体をあまり動かさない趣味の3つが含まれていると理想です。
仕事も含まれていた方が良いですが、仕事で常に喜びや・やりがいを感じられる人は、かなり恵まれている方だと考えられるので、上の3つには含めていません。

独身で天涯孤独だ、という方は家庭の部分はコミュニティと置き換えて頂いて結構です。
要は、気を許せる人がいる、ということですね。
体を動かす趣味を持つが良いのは、なんとなくわかりますよね。
人の体と心は繋がっているので、体を動かすのは精神安定の意味でも、是非取り入れるべき要素といえるでしょう。

では、体をあまり動かさない趣味も持った方が良いというのはなぜでしょうか。
これは、病気や怪我などのライフイベントを想定してのことです。
人が抑うつ状態になるのは、ほとんどが何らかのキッカケがあるものです。

仕事のストレス、転職などの職場環境の変化、失恋、離婚や出産などの家庭の変化、などはキッカケとして頻度は高いですが、この中には、病気や怪我も当然含まれます。

むしろ、運動が得意で、スポーツなどの趣味を沢山もっている人ほど、病気や怪我などで長期間、運動ができないと抑うつ状態になりがちです。
病気で入院したり、怪我で自宅安静になったときに、例えば「趣味のゲームをやる時間が沢山できたから、まあいいか」という精神でいられる人の方が、やはり、人生の苦難をのりこえやすく、精神的にも安定します。
仕事も家庭も趣味も、上手くいくときもあれば、そうでないときもあります。
浮き沈みは必ずあり、自分の力ではどうしようもないことも多々あります。
そんなときでも、人生のポートフォリオを沢山もっている人ほど、これが駄目でもこれがある、と切り替えることができます。
あなたの人生のポートフォリオ、一度見直してみませんか?

明日できることは今日やるな〜仕事の分散と均等化


明日できることは今日やるな〜仕事の分散と均等化

次に、仕事でやまないための具体的な仕事のテクニックをご紹介します。

突然ですが、明日やろうは馬鹿野郎と言う言葉をご存知でしょうか。
とにかく仕事は先延ばしせずに、今日できる仕事を明日に先延ばししてはいけないと言う教えだと思いますが、仕事で止まないと言う観点で考えるとこれは間違っています。

その理由についてご説明します。

まず第一点目は、明日以降もできることを今日中にやろうと詰め込んでしまうと、残業が発生したりして、仕事が忙しい日と、そうでない日に偏りができてしまいます。
仕事で止まないためには、仕事で忙しい日と、そうでない日を作らないことが重要です。
おそらく仕事が忙しいと思っている人でも、よく考えると暇な日もあるのではないでしょうか。

例えばいくら忙しい人でも、突発的なことが起きて、先方の都合が悪くなりアポイントがなくなったり、上司の考えが変わったり、会社を取り巻く環境の変化などで、仕事自体が立ち消えになってしまうようなこともあります。

そのため明日以降もできる仕事を、鉄は熱いうちに打てとばかりに、頑張って今日やろうと詰め込んでしまうのは、毎日の仕事の均等化と言う概念に全く反する行動です。

今日する仕事は今日絶対にしないといけない仕事をまず行い、さらに時間が余った時だけ、明日以降する仕事を就業時間内に可能な限りやると言うので充分です。

明日以降でも構わない仕事は、明日以降に回し、いつか必ず来る暇なときにそれをやればいいのです。
どうしても間に合わない時だけ、必要最小限の分、残業などをして、補うようにすれば十分です。

その場合もいたずらに夜に残業するのではなく、脳の回転が速く、ポジティブでクリエイティブな発想ができる朝に仕事をするのが良いでしょう。
明日やろうは馬鹿野郎の精神ではなく、明日できることは今日やるな、の精神で仕事の分散と均等化を図ることが仕事で病まないためには重要です。

人生を一日単位で完結させる〜生活の安定化


人生を一日単位で完結させる〜生活の安定化

これまで、心の持ち方、人生のポートフォリオ、仕事の均等化について解説してきましたが、日々の生活をできるだけ安定化させると言うことも重要です。

具体的には、年単位でもなく月単位でもなく週単位でもなく、1日単位で人生を完結させると言うことです。
これはちょっと聞いただけでは、意味が分かりませんよね。

解説します。

人生では様々なことが起こります。苦しいこと、辛いこと、嬉しいこと、楽しいこと、様々なことが起こります。
人は、苦しいことや辛いことがあると、心のバランスを取るために、必ず楽しいことや嬉しいことをしようとします。

おそらく多くの人は、仕事は辛いけど、来年になったら昇進するからもう少し楽になるだろう。
来月に旅行があるから今は辛いけどそれまで頑張ろう。
週末に楽しみのゴルフがあるから平日は辛いけどそれまで頑張ろう。
多くの人はこういった形で、年単位、月単位、週単位で大きな喜怒哀楽の波を作っているのではないでしょうか。

仕事でやまないためにオススメなのは、1日単位でこれを完結させることです。

例えば、朝起きて窓を開けてしっかりと朝日を浴びる。
朝ご飯をしっかり食べて、顔を洗い身支度して家を出る。
通勤は徒歩と公共交通機関を使って、軽く体動かしながら通勤する。
仕事はなるべく定時までで切り上げ、家族の待つ家に帰る。
家事や育児を行った後は趣味の時間にする。
お風呂から上がった後は、好きな音楽をかけながらストレッチを行いいつも同じ時間に寝る。

こういった形で、人生のポートフォリオで作った自分の、仕事、家庭、体動かす趣味、体を動かさない趣味などを、1日単位で完結させるのです。

平日は遅くまで残業して、家に帰ってバタンキューの生活で、週末は朝は遅くまで寝て起きて、週末に体の動かす趣味あるいは体動かさない趣味を行うというパターンで生活していると、例えば週末に突発的な用事ができたり、ライフイベントが起きたりすると、平日に抱えたストレスを発散できないまま、次の週を迎えてしまいます。

月単位、年単位で生活のパターンを作ってる人も同じですね。

例えば今回のコロナ感染や、台風や地震といった自然災害によって、次の時に楽しみにしていたイベントがなくなってしまったり、来年決まっていた昇進がなくなったりといった事は容易に起こりえます。

週単位、月単位あるいは年単位で生活のパターンを作っている方は、突発的なイベントによって、生活パターンが崩れる可能性が高く、仕事で病むきっかけとなり得るので、注意が必要です。

まとめ


いかがでしたでしょうか。
今回は、仕事を休むときの診断書に関するお話と、そもそも病まない方法について解説してきました。

堺なかむら総合クリニックは、お腹の病気や、食事や体重(肥満や痩せ)に関する治療をメインで行っているのですが、これらの病気は職場のストレスや心の問題とも関わっていることも少なくありません。
今回のお話で、少しでも仕事のストレスが和らぐヒントになれば幸いです。

大阪の堺なかむら総合クリニック女性医師常勤のクリニックで、下剤を飲まない大腸内視鏡検査や、痔の治療、また保険適用の肥満外来を行っています。

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