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【大腸ポリープ切除後】の食事メニューは?コーヒーはいつからOK?

突然ですが、大腸ポリープを切除した経験はお持ちでしょうか。
大腸ポリープは40歳以上になるとできやすい病気で、食の欧米化により日本人でも急増している病気です。
一方、大腸ポリープ切除はクリニックなどでも日帰りで広く行われている治療です。
大腸ポリープ切除後には出血リスクを抑えるために、1週間程度、食事に気を使ったり激しい運動を控えたりないといけません。
食事メニューや、お菓子、コーヒーやアルコールなどの刺激物、性行為がいつからOKなのか気になりますよね。今回のブログでは大腸ポリープや大腸ポリープ切除後に気を付けることについて、わかりやすく説明したいと思います。
大腸ポリープやその治療のことを知らなかった方でも、正しく理解し明日からのご自身のご健康にお役立て頂けます。
それでは、どうぞ!
(この記事は、日本消化器病学会・消化器病専門医の中村孝彦医師が執筆しています)

「ここだけの話、私も大腸ポリープの切除後は×××はきちんと我慢しているのです。」

【大腸ポリープ切除後】に気を付けることについて知りたい方は、目次の6.からお読みください。

大腸ポリープとは?


大腸ポリープとは、大腸の表面の粘膜がイボのように盛り上がってできた、球状のこぶのことです。
大きくは腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分けられ、さらに腫瘍性ポリープは腺腫とがん、非腫瘍性ポリープは過形成性ポリープ、過誤腫性ポリープ、炎症性ポリープに分類されます。
これらのうち、よく見られるのは腺腫と過形成性ポリープで、腺腫については良性であっても大きくなると大腸がんになる可能性があります。
ちなみに、大腸がんが発生する過程に関しては、腺腫が悪性化するパターンと、腺腫の状態を経ることなく、最初からがんとして発生するパターンがあるといわれています。

大腸ポリープの原因は?


ポリープそのものができる原因は、主に遺伝子の異常であると考えられています。
大腸がんのリスクを高める要因として、年齢(50歳以上)、家族歴(家族に大腸がんを患った人がいる)、肉食傾向、高カロリーな食事や肥満、酒の飲み過ぎ、喫煙などが指摘されています。
こうした要因が特定の遺伝子に変化を起こすことでポリープを発症し、がんになるといわれています。
また家族内で頻発するポリープとして、家族性大腸腺腫症という数百から数万に及ぶ無数のポリープが大腸にできる病気があります。
この病気は遺伝により発症することが明らかになっており、10歳頃にポリープができ始め、20歳頃に診断されるケースが多いです。
そして年齢が上がるにつれてがん化する確率が高くなり、治療せずに放置すると、一生涯においてほぼ100%大腸がんになるといわれています。

大腸ポリープってどんな症状があるの?


ポリープが小さい初期の段階では、自覚症状が特にない場合がほとんどです。
ただ、ポリープが大きくなったり肛門の近くに発生したりすると、出血する、血便や粘液の混じった便が出るといった症状が見られることがあります。
また比較的珍しいケースではありますが、ポリープが大腸の出口付近をふさいでしまっていると腸閉塞を起こしたり、ポリープそのものが肛門から飛び出てしまったりすることもあります。
場合によっては腹痛や下痢、おなかの張り、便が出にくくなるなどの症状も現れますが、大腸がんでも同じような症状が見られるので、既にがん化しているケースも考えられます。

大腸ポリープの検査と切除方法は?


検査には、便潜血検査、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)があります。
便潜血検査は、便に血液が混じっているかどうかを調べる検査です。
簡便な検査ではありますが、あくまでも、便に血が混じっているかどうかだけを見る検査です。
そのため、ポリープがあっても検査時に出血がなければ陰性となりますし(血が混じっていない)、ポリープ以外の痔核出血等によって陽性となってしまう(血が混じっている)事もあります。
実際にポリープを観察する検査としては、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)があります。
肛門からカメラのついた管を入れ、モニターを通じて直接粘膜の細かな状態を見られるため、ポリープの大きさ、色や表面の構造などを正確に把握できます。
さらに、検査と同時にポリープを切除できます。がんが疑われる場合は、採取した組織を顕微鏡で観察する生検を行う場合があります。
ポリープが腫瘍性の場合で、ある程度の大きさがあるときには基本的には肛門から内視鏡を入れてポリープを切り取ります。
多くのポリープは、スネアという金属製の輪をかけて切り取る、ポリペクトミーという方法で治療可能です。
しかし、病変が大きく通常のポリペクトミーなどでは難しい場合は、薬剤でポリープのできている粘膜を持ち上げた上で周辺の組織を切開し、専用の電気メスで病変を剥がすESDという治療を行います。
ほとんどのケースではこうした内視鏡での手術でポリープを切除できるとされていますが、進行の度合いや患者様の既往歴などによっては、外科手術が必要となることもあります。
また、非腫瘍性の場合でも、サイズが大きいもの等は内視鏡で切除します。

堺なかむら総合クリニック
の楽な内視鏡

 

大腸ポリープは予防できるの?


大腸ポリープができる根本の要因は遺伝子的なものであると考えられており、発生そのものを防ぐことは難しいです。
ただ、食生活の欧米化によって大腸がん、そのきっかけとなる大腸ポリープも増えているといわれることから、脂肪分の多い食べ物の取り過ぎに注意し、栄養バランスの整った食生活を心がけることが大切といえます。
また、特に腫瘍性のポリープはがん化する可能性が高く、早期発見が重要です。
そのため、40歳を過ぎたら、自覚症状が無くても定期的に大腸内視鏡検査を受けることが推奨されています。

 

大腸ポリープ切除後の当日に気を付けることは?


大腸ポリープ切除後の当日に気を付けることについて解説します。
大腸ポリープを切除する際、腸を観察するためには、送気により腸を拡張させなければなりません。
大阪の堺なかむら総合クリニックでは、大腸内視鏡検査の際に、空気よりも体に吸収されやすい炭酸ガスを使用しておりますので、検査後に送気によるお腹の張りを感じる方はとても少ないですが、ガスは我慢せず、積極的に出してください。
大腸内視鏡検査後のお腹の張り感は時間を追って楽になります。
横になって右向き、下向き(腹ばい)、左向き、上向き(仰向け)と2分間で1回転を何度か繰り返すとガスが抜けやすいので、一度試してみて下さい。
大腸ポリープ切除の際に麻酔(鎮静剤)を使用された場合は、車は検査した日には運転はできないので注意が必要です。
大腸ポリープを切除する時に少量の出血があるため、検査後に少量の出血が便に混じる程度なら心配ありません。
少量の血が便に混じる程度なら様子をみて頂きたいのですが、出血が多くてなかなか止まらない場合、痛みが続く場合は検査を施行したクリニックや病院へ至急連絡してください。
出血が多いときは便器が真っ赤になります。
出血量が多いと、便が赤黒くなったりするので、そういった場合は注意が必要です。

 

大腸ポリープ切除後の食事メニューは?
コーヒー・お菓子・アルコールはいつからOK?


大腸ポリープ切除後の食事メニューについて解説します。
やはり、コーヒーやアルコールといった刺激物、あるいはお菓子などがいつから摂れるのか気になりますよね。
大腸ポリープ切除後、約1週間は消化の良い食事を心掛けてください。
大腸ポリープ切除後1週間はコーヒーやアルコール、刺激物(唐辛子などのからいもの)、脂っこいもの、なま物は避けるのが良いでしょう。
お菓子は、切除後2日後くらいから食べても良いと思われますが、脂分の多いお菓子や、辛いお菓子などを摂りすぎると、やはり腸にとって負担になるので、お菓子の内容がコレに当てはまる場合は、やはり1週間、避けた方がよいでしょう。
なぜ、大腸ポリープ切除後1週間も食事メニューに気をつかう必要があるのでしょうか。
説明いたします。
大腸ポリープを切除した部位は、人工的な潰瘍となります。
切除部位は出血しにくい切除方法を行っていたり、器具によるクリップ縫合や出血予防処置がされています。
しかし、腹圧がかかった場合や腸管内容物の通過をきっかけに、切除部位に負荷がかかることがあります。
そのため、切除部位から治療後に出血が起こることがあります。
出血などの合併症は、大腸ポリープ切除後少なくとも1週間以内までは起こりうることが知られています。
合併症が起こった場合は内視鏡的止血術や入院治療が必要となる場合があるため、注意が必要なのです。
私はいつも「消化の良い白いものを食べてください」と説明しています。
具体的には、白米・パン・豆腐・白身魚・鶏肉・たまご、などです。
術後1週間はアルコールを飲むのを控えるのも非常に重要です。
お酒は血管を拡張させる作用があるので、大腸ポリープ切除後の傷口からの出血のリスクが上がります。
ノンアルコールは飲んでいただいても問題ございません。

 

大腸ポリープ切除後に性行為や運動はいつからOK?


運動に関しては、日常生活動作は構いませんが、激しい運動(ジョギング、ゴルフなど)や出張・旅行などの遠出は避けるようにしてください。
また、いきんだり、重いものを持つなど、腹圧がかかることは避けてください。
お風呂は長時間の入浴を避け、短時間にするか、シャワー程度にしておいてください。
性行為は、血圧を上昇させたり、腹圧を上げたりする可能性があるので、やはり控える必要があります。
性行為や運動の制限の期間としては、やはり1週間となります。
大腸ポリープ切除後の1週間以内は切除部位から出血する可能性があります。
大腸ポリープ切除後、腹痛、血便、発熱などが見られた時は、必ず検査を行ったクリニックや病院にご連絡ください。

 

まとめ


いかがでしたでしょうか。

今回のブログでは大腸ポリープと大腸ポリープ切除後に気を付けることについて解説しました。
大阪の【堺なかむら総合クリニック】では、下剤を飲まずに大腸内視鏡検査を受けられる「下剤を飲まずに大腸内視鏡検査」を行っています。
興味のある方は下記をご覧ください。。

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大腸ポリープ切除後のことを知らなかった方にとって参考になれば幸いです。
このブログが明日からのご自身のご健康にお役立て頂けることを願っています。


「大腸ポリープ切除後は、1週間。1週間だけ我慢して欲しいのです」